CHAPTER 01なぜ、いま10億円なのか
2025年9月、Pre-Series A ラウンドで累計約10億円の調達を完了。新規投資家にXTech Ventures、Spiral Innovation Partners、Angel Bridge、三菱UFJキャピタル、北海道ベンチャーキャピタルが名を連ねる。資金使途と、タイミングの理由をまず聞いた。
今回の約10億円は、具体的にどの領域へ投じられるのでしょうか。
大きく2つです。①商用反応装置の開発と量産体制の構築。これまでは研究室スケールの装置でしたが、ここから先は工業スケールの装置を開発し、化学メーカーの現場に設置できる水準まで仕上げます。②受託合成企業との協業。私たちの技術を現場の合成工程に組み込むためのパートナーネットワークを、一気に拡大します。
数あるタイミングのなかで、なぜ"いま"だったのでしょうか。
大学発の研究フェーズで「できる」が証明できたこと。そして、製薬・素材・電池の各業界が同時に 脱炭素プレッシャーと新材料ニーズに直面している こと。技術と市場のタイミングが重なったのが、まさにいまこの瞬間です。5年遅れれば、世界の競合に主導権を握られかねない。それほど現在のタイミングが重要だと考えています。
投資家の顔ぶれが、国内のメガベンチャーキャピタルから地域金融機関まで幅広く揃いました。この座組みは意図的なものですか。
はい、強く意図しています。私たちは技術を世界に届けたい一方で、研究と量産の拠点は北海道に置き続けます。グローバル展開のスピードと 地域への根の深さ──両方を持ち続けるための投資家構成です。XTech、Spiral、Angel Bridge、三菱UFJキャピタルといった全国メガと、北洋銀行・北海道ベンチャーキャピタルといった地元勢が同じ船に乗っている。この組み合わせは、私たちの戦略そのものを表しています。
