窒化鉄磁石の未来
スピーカーへの採用が可能に
「窒化鉄磁石」は、まず音響機器で製品に使われ始めています。2026年、同社はスピーカーメーカーのYG AcousticsおよびScan-Speakと、窒化鉄磁石を使ったスピーカーを発表しました。業務用スピーカーのFaitalPROとも、同じ磁石を使った製品の共同開発を進めています。スピーカーは磁石の用途として身近であり、量産の経験を積む場にもなります。
EVや風力発電への搭載を目指す
同社が次に目指すのは、EVや風力発電のモーターへの採用です。ミネソタ州サーテルに建設中の工場は2027年の稼働を予定し、年間で最大1,500トンの生産能力を計画しています。同社はその次の段階として、年間1万トン規模の工場の着工も構想しています。脱レアアースの磁石が量産されれば、EVや風力発電の設備を自国で製造しやすくなります。
ホンダなどから資金を調達
同社は2026年9月、ホンダから出資を受けたと発表しました。出資はホンダの「Honda Xcelerator Ventures」を通じたもので、金額は公表されていません。これに先立つ2026年8月には、米国防総省の戦略資本室(OSC)から、サーテル工場の建設と設備に向けて最大約1億5,000万ドル(約225億円)を20年の期間で融資する条件付きの合意を得ています。資金と量産設備が整えば、自動車メーカーが脱レアアースの磁石を実際の車へ採用しやすくなります。

FrontJournalの解説
- Honda Xcelerator Venturesホンダが世界の新興企業へ出資し、共同で開発を進めるための枠組み。自社の事業に生かせる技術を早い段階から探す狙いがある。
- 戦略資本室米国防総省に置かれた部局。安全保障に関わる材料や部品を国内で生産する体制づくりへ、融資などの形で資金を供給する。