市場課題|核酸医薬は毒性と設計が壁

肝毒性と神経毒性が開発の壁
核酸医薬の開発では、肝臓や神経の毒性が壁になっています。標的のmRNAに結びつくアンチセンス核酸は、分解を避けるため、リン酸部分の酸素を硫黄に置き換えるホスホロチオエート修飾(PS修飾)を使ってきました。ただしこの修飾は肝毒性や神経毒性の一因にもなるとされ、投与できる量が限られ、有望な候補化合物でも開発が止まります。
配列と構造の選び方が定まらない
製薬会社は、核酸医薬の設計でつまずきがちです。狙う配列(mRNAのどこに結合させるか)と化学構造の組み合わせで、効き目も安全性も変わります。組み合わせが多いため、試作と評価をくり返すうちに開発の判断が遅れます。
他にも、核酸が肝臓に偏りやすい送達の制約、原料となるモノマー(人工核酸の部品)の確保、後半で毒性が出たときの手戻り、といった課題があるといわれています。
- アンチセンス核酸病気の原因となるタンパク質の設計図であるmRNAに結合し、その働きを止める短い核酸を指す。低分子医薬品や抗体医薬品では狙いにくい標的にも作用できるため、第三の選択肢として研究が進む。


