市場課題|アンモニアの製造は高温高圧の条件が前提となっている

製造のエネルギー消費が大きい
アンモニアの製造は、需要の拡大が見込まれる一方で、エネルギー消費が大きい工程です。現在の主流のハーバー・ボッシュ法(窒素と水素を触媒の上で反応させる工業的な製法)は、100年以上にわたり、400〜600℃、15〜20MPaの高温高圧で行われてきました。肥料に加えて発電や船舶の燃料、水素を運ぶ手段としても利用が見込まれるため、需要が増えるほど、エネルギーの負担も大きくなりかねません。
鉄触媒は低温で働きにくい
従来の鉄触媒は、反応の温度を下げると働きが弱まります。特に200℃以下では、アンモニアを製造できません。触媒の性能が変わらなければ、温度と圧力を下げてエネルギーを抑える余地は限られます。
他にも、ルテニウムなどの貴金属を使う触媒の価格、設備費や運転費の高止まり、反応で得られるアンモニアの割合(収率)の低さ、といった課題があるといわれています。
- 収率原料から目的の物質がどれだけ得られたかを示す割合を指す。アンモニアの合成では、反応させる温度と圧力の条件によって、この割合が変わる。


