市場課題|認知症の人は増え続け、発症後の治療では手を打つ時期が遅れやすい

認知症の人が増え介護負担が増大
厚生労働省の研究班の推計では、2025年の認知症の高齢者は471.6万人、MCI(軽度認知障害)の高齢者は564.3万人です。2040年には、認知症の高齢者が584.2万人へ増えると見込まれています。認知症の人が増えるほど、医療や介護の負担はさらに重くなりかねません。
抗体薬は使える人が限られる
アミロイドβ(脳にたまる異常なたんぱく質)を取り除く抗体薬のレカネマブとドナネマブは、臨床試験で認知機能の低下を30%程度遅らせたとされます。ただし対象は、アルツハイマー病によるMCIや軽度の認知症で、アミロイドβの蓄積を検査で確かめた人に限られます。投与は定期的な点滴で、副作用を確かめるMRI(磁気で脳の断面を撮る検査)も欠かせません。アミロイドβは発症の20〜30年前からたまり始めると考えられており、症状が出てからの治療では手を打つ時期が遅れやすいといわれています。
他にも、発症前に脳の変化を見つける検査の受けにくさ、アルツハイマー病以外の認知症に使える薬の乏しさ、本人や家族が気づきにくい初期の変化、といった課題があるといわれています。
- MCI記憶力などの認知機能が年齢相応より低下しているが、日常生活はおおむね自分で送れる状態を指す。認知症の一歩手前にあたり、認知症へ進む人がいる一方、元の状態に戻る人もいる。


