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株式会社HotJet(ホットジェット)

HotJet「亜臨界水洗浄」を開発

企業紹介|株式会社HotJetとは?

水を加圧して高温にし、洗剤なしで汚れを落とす技術である「亜臨界水洗浄」。株式会社HotJetは、その社会実装を目指すディープテック企業です。同社は、「HOTJET」(亜臨界水で洗浄する機械)を、油や塗料などの汚れの洗浄に向けて提供しています。

キーワード「亜臨界水洗浄」

「亜臨界水洗浄」は、水に圧力をかけたまま加熱して、亜臨界状態(100℃を超えても液体を保つ状態)の水にし、その水で汚れを落とす洗浄方法です。特徴は、洗剤や溶剤なしで、油や塗料などの有機物の汚れの分解が進むとされる点にあります。台所の油汚れが水より湯で落ちやすいように、温度を高めた水は、汚れを落とす力が強まります。

市場課題|従来の洗浄機は排水量と洗浄力に課題がある

現状の洗浄方法の課題

スチーム洗浄機は洗う力が弱い

スチーム洗浄機は、温度が高い一方、蒸気のため汚れを洗い流す力が弱いとされています。油汚れや塗料は脂溶性(油に溶けやすく水に溶けにくい性質)のため、水だけでは落ちにくい汚れです。温度の高さだけでは、汚れが落ちにくい場合があります。

高圧洗浄機は排水量が多い

高圧洗浄機は、公式サイトによると、排水量が多く、圧力が高いため洗う対象を傷つける恐れがあるとされています。水の跳ね返りが多く、作業者は取り扱いに注意が必要です。高圧洗浄機は、水の勢いで汚れを落とす洗浄機です。

他にも、周囲が水びだしになる、温度を安定して保つのが難しい、強固な油汚れが取り切れない、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 脂溶性油や脂に溶けやすく、水には溶けにくい性質である。油汚れや塗料が水だけでは落ちにくい理由であり、洗剤や溶剤が使われてきた背景になる。

HotJetの強み|「亜臨界水洗浄」を開発

HotJetが「亜臨界水洗浄」を開発

亜臨界水で分解が進むとされる

水は、圧力をかけたまま100℃を超えて温めても、液体を保ちます。この状態の水は、常温の水にない性質を持つようになり、洗浄に利用されます。

「HOTJET」(洗浄機械の製品名)は、水に圧力をかけて液体を保ったまま140℃まで加熱して亜臨界状態にし、噴射する仕組みです。この水は、酸性とアルカリ性の両方の性質を持ち、加水分解(水との反応で物質が小さな成分に分かれる変化)が進みやすくなる点が特徴です。さらに、比誘電率(物質の電気的な偏りの大きさを表す値)が常温の水より低下し、水に溶けにくい油汚れも落とせる点が特徴とされています。洗剤や溶剤なしで有機物の汚れを落とせるため、洗剤を用意する手間が要らなくなります。

気泡の衝撃波で汚れを剥離

汚れを落とす方法には、水圧のほかに、水中の気泡がつぶれるときの力を使うものがあります。

「HOTJET」は、公式サイトによると、ノズル(噴射口)の内部で水が気泡になるよう設計されています。気泡が崩壊するときに生じる衝撃波が、汚れを剥がす仕組みです。また、公式サイトによると、水圧に頼らない洗浄のため、対象物を傷つけにくい点が特徴です。水の使用量は、一般的な高圧洗浄機の約3分の1程度に抑えられ、噴射した水の一部が蒸気になるため、排水処理の作業も減らせるとされています。「HOTJET」は140℃で安定して噴射できる点も特徴です。

FrontJournalの解説
  • 加水分解水と反応して、物質が小さな成分に分かれる化学反応である。亜臨界水では、酸性とアルカリ性の両方の性質が働き、有機物の汚れの分解が進む。

亜臨界水洗浄の未来|洗剤や溶剤を使わない洗浄へ

亜臨界水洗浄が変える未来

有機物の汚れの洗浄用途

公式サイトによると、「HOTJET」で洗える有機物の汚れは、加工油やプレス油などの油分、ペンキやインクなどの塗料、タンパク質、脂質です。亜臨界水で有機物の分解が進むとされるため、洗剤や溶剤を使わずに落とせる汚れです。公式サイトには、道路についたタイヤの跡とガムを洗浄した例も掲載されています。ガムは瞬時に除去でき、養生なしでも一般の方に水がかからなかったとされています。

粒子状の汚れの洗浄用途

粒子状の汚れにも、同じ機械が使えます。公式サイトでは、塵、ほこり、パーティクル、ゴミ質残渣、摩耗粉、研磨粉、カビ、苔に効果があるとされています。同社の想定する利用者は、既存の高圧洗浄機や温水洗浄機で取り切れない強固な油汚れに困る事業者です。同じ機械で、有機物の汚れと粒子状の汚れの両方を洗える点は、使う場面を考える際の判断材料になります。

SDGsへの貢献を目指す

同社は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標3、6、9、12への貢献を掲げています。「HOTJET」は、化学洗剤や溶剤なしで有機物の汚れを落とせる機械です。公式サイトには、化学剤を使わず水だけで洗える点が、化学物質の放出を減らす目標(SDGs12.4)への貢献につながると記載されています。目標3は有機溶剤による施工事業者の健康リスクの削減、目標6は塗膜剥離で汚染水の廃水が出ない仕組みに、目標9は少ない水量での洗浄に、それぞれ対応づけられています。

会社概要|HotJetの事業内容・会社の概要

2018年に兵庫県尼崎市で設立

株式会社HotJetは、兵庫県尼崎市で設立された企業です。所在地は、尼崎市の潮江にあります。代表取締役は上辻靖夫氏で、設立日は2018年2月1日です。

関連する大学は京都大学で、経済産業省のデータベース上は、大学発ベンチャーとして、研究成果ベンチャーに区分されています。資本金は410万円です。顧問には、京都大学名誉教授の芦田讓氏が名を連ねています。

洗浄機の販売と洗浄業務

同社の業務は、亜臨界水生成装置「HOTJET」の販売、「HOTJET」を用いた洗浄または塗膜剥離、機能性塗料の販売です。製品は、溶剤が不要な洗浄機械です。公式サイトでは、従来は密閉空間でしか行われていなかった亜臨界状態の水の使用を、外部への噴射で実現した点が、特徴として紹介されています。ノズルの内部で気泡を発生させる設計と、140℃の亜臨界水を組み合わせた洗浄機械です。

洗浄できる汚れの種類

洗浄の対象は、油分、塗料、有機物の汚れ、粒子状の汚れです。油分には、加工油やプレス油が当てはまります。粒子状の汚れには、塵、摩耗粉、カビ、苔が当てはまります。油汚れや塗料は、水に溶けにくい性質を持つ脂溶性の汚れです。

会社情報

会社名株式会社HotJet(ホットジェット)
所在地兵庫県尼崎市潮江1丁目13番1-202号
設立2018年2月1日
代表代表取締役 上辻靖夫
資本金410万円
事業亜臨界水洗浄機械の販売。洗浄又は塗膜剥離
技術領域亜臨界水による洗浄・塗膜剥離
URLhttps://hot-jet.com/

編集後記|FrontJournal編集部より

洗剤や溶剤なしで、水の温度と圧力、気泡の力で汚れを落とす発想が、同社の特徴です。とくに、水圧だけでなく気泡の衝撃波を使う点は、公式サイトで紹介されている洗浄の仕組みの特徴といえます。亜臨界状態の水を外部へ噴射できる点も、技術面の特徴です。化学剤を使わず水だけで洗える点は、化学物質の放出を減らす観点でも意味を持ちます。

注目したのは、洗浄できる汚れが、油分や塗料から、カビや苔まで幅広く紹介されている点です。同じ機械で複数の種類の汚れに対応できれば、導入先の広がりにつながり得る点も、見逃せません。洗い方の選択肢が増えることは、洗浄の現場にとって、意味があります。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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