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HULIX「人流解析」を開発

株式会社HULIX(ヒューリックス)

HULIX「人流解析」を開発|研究領域=LiDARの点群で・人の動きを把握/強み=状態で追跡を・切り替える/将来性=現場運用を・根拠で支える

企業紹介|株式会社HULIXとは?

LiDAR(レーザー光で距離を測るセンサー)で人や車両の動きを3次元で捉え、混雑や滞留を分析する「人流解析」。株式会社HULIXは、その社会実装を目指す、大阪大学発の空間AI系ディープテック企業です。空港や商業施設などの現場で、3D空間データの取得と解析を重ねています。

キーワード「人流解析」

「人流解析」は、LiDARで得た3次元の点群(空間上の点の集まり)から人や車両の位置と動きを割り出し、人の流れを分析する方法です。同社は、LiDARとカメラ、SLAMを組み合わせて、人や車両の動きを3Dデータとして取得しています。混雑や滞留が起きる場所と時間帯、原因の把握が目的です。

市場課題|施設運営に残る、人の動きの把握という壁

現状の人流解析の課題|現状は、目視と経験頼みで混雑の原因を特定しにくい|目視と経験で・把握に限界/ヒートマップでは・原因が分からない

混雑の原因を目視で特定しにくい

社会インフラの現場運用は、目視と経験、勘に大きく依存していると、同社は指摘しています。混雑、行列、危険接近、滞留といった課題は、正しく計測されないまま経験で処理されがちです。3D空間データの取得から常設運用までを通じて、こうした現場運用の課題に取り組んでいます。

ヒートマップでは原因が不明

混雑を色の濃淡で示すヒートマップは、場所の把握には役立ちますが、何が原因で状態が悪化したかまでは示しません。原因の分析には、軌跡、速度低下、滞留分布、行列形成などを組み合わせる必要があります。同社は、原因の診断までを一つの基盤で扱う製品を提供しています。

他にも、人・車両・ロボットが同じ空間で動く現場の安全確認、改修や配置変更の前後で生じる利用者の動きの変化の検証、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 滞留人や車両が同じ場所にとどまり、流れが滞る状態を指す。混雑や行列を見るときの指標となり、通過量とあわせて確認する。

HULIXの強み|「人流解析」を開発

HULIXが「人流解析」を開発|現在は、点群解析で人流の把握を提供|状態に応じて・追跡を切り替え/原因を数値で診断・施策を実施前に比較

点群の追跡で原因を診断

同社の追跡は、検出結果を線でつなぐだけではない方式です。

基盤「Hitonavi Platform」は、物体の状態(移動中・停止中・滞留中・遮蔽中)に応じて追跡の方法を切り替える、独自のアルゴリズムを備えた構成です。人や車両が混在する現場でも、位置、速度、方向、滞留を安定して扱える点を、同社は特徴としています。得られた軌跡は、ゾーンごとの通過量や滞留人数、平均速度といった指標に変換され、時系列で状態を診断する仕組みです。混雑や行列、危険接近が起きた場所と時間帯、原因を、目視ではなく数値で確認できるようになります。

点群の分離で動きを数値化

点群を表示するだけでは、位置や動きの指標までは得られません。

同社は、LiDARの点群、カメラ映像、施設図面、ゾーンの定義を統合し、背景構造、移動体、通行可能領域、滞留領域などを分離して、追跡や診断に使えるデータへ変換する構成です。製品には、人や車両の検知と追跡を担う行動理解AI「ひとなびBOX」があります。さらに、取得した実測データをもとに、レイアウト変更や人員配置などの施策の効果を、実施前に比べるシミュレーションも備えた構成です。これにより、現場は点群を数値の指標として扱い、施策の効果を実施前に比べて判断できるようになります。

FrontJournalの解説
  • 点群3次元空間上の点の集まりである。LiDARが測った距離を点として並べたもので、物体の形や位置を3次元で表せるため、人や車両の動きの計測に使われる。

人流解析の未来|根拠に基づく現場運用へ

現場の人流解析が変える未来|今後は、数値の根拠で判断が可能に|空港や商業施設で・運用を積み重ねる/名古屋市と・実証に取り組む/根拠に基づく・運用を目指す

空港や商業施設で運用実績

空港、都市空間、商業施設、ホテルなどの実現場で、同社は3D空間データの取得・解析・運用を積み重ねています。人流・交通流解析AI「ひとなびリサーチ」は、改修前後の通過人数、滞留時間、回遊経路を同じ条件で比較する用途です。ホテルなどでも、どの変更が利用者の動きに結び付いたかの確認に使われます。数値の根拠は、次の提案や施策の検証に使われます。

名古屋市で客引き対策を実証

2026年9月、同社は名古屋市の「Hatch Technology NAGOYA」課題提示型実証支援事業に採択されました。客引き問題への対応をテーマに、名古屋市と実証に取り組みます。同年8月には、東京都の「地域課題解決型スマート東京普及促進事業」でマッチング支援対象に決定しました。

根拠に基づく運用を目指す

人・車両・ロボット・インフラが安心して共存できる世界をつくることを、同社は掲げています。現実空間の3D化から常設運用までを、一つのプラットフォームで支えます。2026年8月には、事象の整理、優先順位付け、担当者への共有、現認・介入、結果記録までを一連の業務としてつなぐ製品「HitoNavi Operations」の製品情報を公開しました。

会社概要|HULIXの事業内容・設立背景

大阪大学発の3D空間AI企業

同社は、2020年7月に設立された大阪大学発の3D空間AIスタートアップです。代表取締役は守屋充雄、取締役は、大阪大学教授の山口弘純です。大阪大学の2021年11月19日付の発表では、HULIXは山口教授の研究成果をもとに2020年7月に設立された大阪大学発のベンチャー企業とされています。「ひとなび」は同大学院情報科学研究科の山口教授らが開発した、LiDARを用いた人流計測システムの名称で、監視カメラなどとは異なり、プライバシーに配慮しながら人の動きを計測できると説明されています。拠点は、大阪府吹田市の産学共創A棟です。

採択・連携の状況

2026年9月に、名古屋市の「Hatch Technology NAGOYA」課題提示型実証支援事業に採択されました。同年8月には、東京都の「地域課題解決型スマート東京普及促進事業」のマッチング支援対象に決定しています。研究面では、大阪大学とAI、デジタルツイン、シミュレーションの共同研究体制を取っています。

事業内容と製品

事業内容は、3D空間AIプラットフォームの開発・構築・販売、LiDAR・SLAM・3D点群解析・デジタルツインの研究開発、人流・車両・ロボットの解析ソフトウェアの開発、空間解析・AI診断・シミュレーション・常設運用のコンサルティングです。製品は、行動理解AI「ひとなびBOX」、人流・交通流解析AI「ひとなびリサーチ」、現場運用・最適化AI「ひとなびツイン」で構成されます。

会社情報

会社名株式会社HULIX(HULIX Technologies, Inc.)
所在地大阪府吹田市山田丘2−1 産学共創A棟5階
設立2020年7月
代表代表取締役 守屋 充雄(取締役 山口 弘純は大阪大学教授)
事業3D空間AIプラットフォームの開発・構築・販売、LiDAR・SLAM・3D点群解析・デジタルツインの研究開発、人流・車両・ロボットの解析ソフトウェアの開発、空間解析・AI診断・シミュレーション・常設運用のコンサルティング
技術領域LiDAR。SLAM。3D点群解析。デジタルツイン
連携大阪大学とAI・デジタルツイン・シミュレーションの共同研究体制
採択2026年9月に名古屋市の「Hatch Technology NAGOYA」課題提示型実証支援事業。2026年8月に東京都の「地域課題解決型スマート東京普及促進事業」のマッチング支援対象
URLhttps://www.hulix-tech.com/

編集後記|FrontJournal編集部より

混雑や行列は、体感では誰もが知っていても、原因を数値で説明できる現場は多くありません。LiDARの点群から人や車両の動きを追う方法は、原因を数値で示すための手段です。数値があれば、改善の効果も同じ指標で確かめられます。

HULIXの特徴は、計測から診断、シミュレーション、常設運用までを、一つの基盤でつないでいる点です。同社は、診断と施策の比較まで基盤に含めているため、現場の判断を根拠で支える構成といえます。改善の効果を同じ指標で確かめられる点が、現場にとっての利点です。

同社は、空港や商業施設などで運用を積み重ね、名古屋市では客引き問題の実証にも取り組みます。人の流れが数値で見えるようになれば、運営の判断を根拠に基づいて検討できる点が重要です。大阪大学の研究から生まれた技術が、街の現場に根づく日を期待します。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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