市場課題|細胞に物質を入れるのが難しい

操作に時間がかかり細胞が傷む
細胞への物質導入は、長時間の操作と細胞の傷みがつきまとう工程です。電気の刺激で細胞膜に一時的な穴を開けるエレクトロポレーション(電気穿孔法)や、脂質の膜で包んで運ぶ方法が使用されてきました。どちらも準備に時間を要するうえ、細胞ごとに条件を探し直す必要があり、条件が外れれば細胞が死にます。
高分子は細胞に入りにくい
入れたい物質が大きいほど、細胞の中で働かせるのが難しくなります。脂質の膜で包んで運ぶ手法では、細胞がエンドサイトーシスで包み込むため、中身が袋から出られず分解される場合があるからです。タンパク質のような高分子(分子量の大きい物質)や、ミトコンドリアなどの細胞小器官(細胞内で決まった役割を担う構造)は、扱える手法が限られます。
他にも、物質ごとに手法を選ぶ手間、専用装置の費用、結果がばらつく再現性、扱える細胞の数が限られる点、といった課題があるといわれています。
- エンドサイトーシス細胞が外側の物質を膜で包み込み、袋のかたちで内部へ取り込む働きを指す。取り込まれた物質は袋の中に留まりやすく、細胞の中で働く前に分解される場合がある。


