市場課題|がんの免疫治療は効く患者が限られる

免疫治療が効く人は2〜3割
多くのがんに使われる免疫チェックポイント阻害薬(がん細胞が免疫にかけるブレーキを外す薬)で効果が出る患者は、2〜3割と少ないとされます。一部の患者に出る重い副作用や、高額な医療費も課題です。効く人を増やせなければ、標準治療後の患者に残る治療の選択肢は乏しいままです。
注射型ワクチンは成績が伸び悩む
WT1(多くのがんで増えるタンパク質)を狙う注射型のペプチドワクチン(短いタンパク質の断片を使うワクチン)は、臨床試験で十分な成績を示せていません。短いペプチドは、患者のHLA型(免疫が目印を示す分子の型)ごとに合う種類が異なり、対象となる患者が限られます。型ごとに薬が要るため、実用化までの開発も長期化しがちです。
他にも、がん細胞が免疫の攻撃をかわす仕組みの多さ、腸内細菌の違いによる治療効果の差、効果を事前に見極める指標の乏しさ、といった課題があるといわれています。
- 免疫チェックポイント阻害薬がん細胞が免疫細胞の働きを止めるために使う仕組みを妨げ、免疫ががん細胞を攻撃し続けられるようにする薬を指す。多くのがんで使われるが、効果が出る患者が限られることが課題である。


