市場課題|川の水質事故は予告なく起き、取水監視の計器では想定外の毒物を捉えにくい

河川の水質事故で取水停止も発生
国土交通省が集計した2024年の一級河川の水質事故(油や化学物質が川へ流れ出る事故)は592件で、上水道の取水停止(浄水場が川から水を取り入れるのを一時的に止めること)に至った事故も9件ありました。事故の約8割は油類の流出で、一部はシアン(毒性の強い化合物)や農薬など化学物質の流出です。事故の発見が遅れると、汚染された原水を浄水場が取り込む恐れがあります。
計器は想定外の毒物を捉えにくい
浄水場の水質計器は、あらかじめ決めた項目を測る設備のため、想定外の毒物は捉えにくいのが弱点です。計器が測るのは濁度(水の濁り具合)やpH(水の酸性・アルカリ性の度合い)などの項目であり、川へ流れ込む物質は事故ごとに異なります。項目に無い毒物が混ざると、計器だけでは異常に気づくのが遅れる恐れがあります。
他にも、無人の取水施設での発見の遅れ、夜間・休日の監視体制の手薄さ、大雨で濁った原水の監視の難しさ、といった課題があるといわれています。
- 水質事故河川や水路に油や化学物質などが流れ出し、水質が急に悪化する事故を指す。国土交通省が一級河川での件数を毎年集計しており、下流の浄水場が取水を止める原因にもなる。


