市場課題|洋上の風を測る機器の誤差を確かめる場が乏しい

風況データの誤差が採算を左右
洋上風力発電では、風況データのわずかな誤差が採算を左右します。風車の出力は定格に達するまで風速のおよそ3乗に比例するため、見積もりが数パーセントずれるだけで、年間の発電量の見込みは変わります。確からしさが定まらないまま計画を進めると、資金調達や設計で見込み違いが生じかねません。
浮体の揺れで誤差の判別が難しい
洋上では、フローティングライダー(レーザーで風を測る装置を浮体に載せたもの)の利用が広がるなかで、波の揺れが測定値を乱します。乱れが自然の風か浮体の動揺による誤差かの判別には、基準となる実測値との突き合わせが要ります。進め方は国際的な手順として整いつつある一方、日本の海域で突き合わせられる場は限定的です。
洋上のマスト建設には多額の費用がかかります。他にも、機器を海外へ運ぶ手間、長期の観測で生じる欠測(データが取れない期間)、といった課題があるといわれています。
- フローティングライダー海に浮かべた浮体にレーザー式の風速計を載せ、上空の風を測る装置を指す。観測マストより設置が容易な一方、波による揺れが測定値に影響するため、事前の精度確認が要る。


