市場課題|生物試料は、電子顕微鏡で元の形を保ちにくい

前処理で形が変わる
生物試料は、電子顕微鏡で観察する前の処理で、形が変わりやすい点が課題です。走査型電子顕微鏡(SEM、試料の表面を電子線でなぞって拡大する装置)は内部が高真空のため、水分を多く含む生物試料は、そのまま入れると水分が蒸発します。このため、薬品で固める固定、水分を抜く脱水、乾燥といった前処理(観察前に試料を整える作業)が必要になり、その過程で形が変わります。
電気を通さない試料は像が乱れる
ガラス上の病理標本のように、電気を通しにくい試料は、電子線を当てると電気がたまる帯電を起こし、像が乱れやすくなります。帯電を防ぐため、金属を薄く付ける蒸着という処理が使われますが、工程が増えます。前処理によるアーティファクト(観察の過程で生じる、実際にはない構造)の発生も課題です。
他にも、観察までの作業時間、前処理に使う薬品の取り扱い、試料ごとの手順の違い、といった課題があるといわれています。
- アーティファクト試料の処理や観察の過程で生じる、実際には存在しない構造や変形のことである。電子顕微鏡で生物試料を観察するときに問題になる。


