市場課題|動物実験では人の肝臓の反応を予測しにくい

肝障害が発売後に見つかる恐れ
新薬による肝障害(肝臓の細胞が傷ついた状態)は、発売後に見つかることがあります。糖尿病の治療薬「トログリタゾン」は日米英で承認されたものの、重い肝障害の報告で市場から撤退しました。肝障害の中には動物実験で再現しにくいものがあり、承認前の試験だけでは見落とす恐れがあります。
動物では人の代謝を再現しにくい
肝臓の働きには種差があるため、人の体内での薬の変化を動物で予測しきれない例は少なくありません。ラット・イヌ・サルを使う方法は確立されていますが、人だけに生じる代謝物(薬が分解されてできる物質)は動物の体内では現れにくい面があります。この代謝物を見逃すと、臨床試験(人で行う試験)の前の安全性の確認が不十分になりかねません。
他にも、ヒト肝細胞の入手の難しさ、培養した肝細胞の働きが続く期間の短さ、人の肝炎ウイルスを調べる実験動物の少なさ、といった課題があるといわれています。
- 種差生物の種類によって、体のつくりや働きが異なることを指す。薬を分解する肝臓の働きにも種差があるため、動物で得た結果がそのまま人に当てはまるとは限らない。


