市場課題|聞こえと音環境の整備が進みにくい

補聴器の普及が限られ支援不足
職場や公共の窓口では、聞こえへの配慮が行き渡りにくい状況です。日本補聴器工業会の調査「JapanTrak 2022」によると、難聴を自覚している人のうち補聴器の所有率は15.2%にとどまるといわれています。聞き取りにくいまま会議や窓口の対応が続けば、就労や社会参加の機会が狭まりかねません。
吸音材は厚くすると設置しにくい
会議室や執務室の反響を抑える吸音材は、性能を高めるほど厚みが増し、設置の自由度が下がります。多孔質吸音材(繊維や気泡の隙間に音を通す材料)は、波長の長い低い音ほど厚みを要するためです。意匠の制約が厳しい空間では十分な厚みを確保しにくく、音環境の改善は限定的です。
他にも、複数人が同時に話す場面での聞き分けの難しさ、外国語を話す従業員を交えた会議での情報共有、意匠を保って設置できる吸音材の選択肢の乏しさ、といった課題があるといわれています。
- 多孔質吸音材繊維や気泡の隙間へ音を通し、摩擦と粘性で音のエネルギーを熱に変えて減らす材料である。グラスウールが代表例で、波長の長い低い音を吸うほど厚みを要する。


