市場課題|合成経路選びは実験も計算も時間がかかる

合成経路選びで実験回数が増大
機能性化学品(特定の働きを持たせた化学製品)の合成経路選びでは、候補を一つずつ実験で確かめるため、実験回数の増加につながりやすくなります。標的の分子が複雑なほど経路の候補は多くなり、その選択は化学者の経験や直感に頼ってきたとされます。どれを採るかの判断が難しいままでは、開発が長期化しかねません。
全経路の計算は長時間を要する
量子化学計算(電子の振る舞いから分子のエネルギーや形を求める計算)で反応を調べる方法もありますが、候補をすべて計算するには長い時間を要します。反応の進みやすさを知るには、候補の反応ごとに遷移状態の形を探す必要があり、候補の数が増えるほど計算量が膨らむのが難点です。計算で候補を絞り込めなければ、実験の繰り返しに戻ります。
他にも、原料をまとめて反応させるバッチ法のエネルギー消費、機械学習に使う実験データの不完全さ、合成経路を提案するソフトウェアが示す候補の多さ、といった課題があるといわれています。
- 量子化学計算量子力学の法則にもとづき、分子のエネルギーや形を理論的に求める計算を指す。遷移状態のように、実験では直接観測できない分子の形も計算で求められる。


