金融からDeepTech企業へ転職 職務経歴書の書き方と例文

金融(銀行・証券)からDeepTech企業へ転職|職務経歴書の書き方と例文

「銀行・証券で企業の資金調達や事業成長を支援してきたのに、DeepTech企業の書類選考が通らない」——転職支援の現場でそんな声を聞くことがあります。

書類が通らない原因のほとんどは、能力の問題ではありません。金融業界で通用する職務経歴書の書き方を、そのままDeepTech企業に出してしまっていることが、原因であることも多いです。「融資担当として○○億円の審査・実行を担当」「IPO支援・資金調達のアドバイザリーを担当」という記述は金融業界には刺さりますが、DeepTech企業の代表やCTOには響きにくいことが多いです。

DeepTech企業の採用を担う経営陣は「この人は自分たちの技術・ミッションを理解しているか」「まだ市場がない段階で一緒に動いてくれるか」という視点で書類を読みます。この記事では、金融出身者がDeepTech企業の書類選考を通過するための書き方を、例文・NGパターンとともに解説します。

DeepTechの経営陣は何を見ている?

DeepTechの経営陣が金融出身者の職務経歴書で見る3つのポイント

DeepTech企業の代表やCTOなど、採用を直接担う経営陣が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

  • 技術・ミッションへの理解があるか:DeepTech企業の代表や研究者出身の経営陣は「この人は自社の技術の何が面白いと思っているのか」をまず確認します。技術の深い理解は不要ですが「なぜこの技術が社会を変えうるのか」という自分の言葉での解釈が書かれているかどうかを見ています。
  • 事業の成長に直接関与した経験があるか:金融機関の業務は「支援・審査・アドバイザリー」が中心です。DeepTech企業の経営陣が確認したいのは「支援した先に、自分が事業の当事者として動いた経験があるか」です。融資先・投資先の事業に深く関与した経験、事業成長に直接貢献した経験が書かれているかを見ています。
  • 不確実性の高い環境で動いた経験があるか:金融機関の業務は審査基準・コンプライアンス・規制の枠組みの中で動くことが前提です。DeepTechでは「正解がない環境で仮説を立て、動き、修正する」ことが求められます。スタートアップや成長企業への融資・投資・支援を通じて、不確実性に向き合った経験があれば積極的に書いてください。
lightbulb採用を担う経営陣の視点

DeepTech企業の代表やCTOが金融出身者に求めているのは「ファイナンスの専門家」ではなく「自分たちが解決しようとしている社会課題を一緒に信じて動いてくれる人」です。書類で落ちるパターンの多くはファイナンス知識の不足ではなく「ミッションへの共感と実行意欲が伝わらない」ことです。「なぜこの技術の社会実装に関わりたいのか」「その上で金融経験をどう使えると考えているのか」が伝わる書き方をしている方が響きやすいです。

書類が通らない人に共通する3つのパターン

パターン①:審査・管理・コンプライアンスの話しか書いていない

「融資審査○○件を担当」「リスク管理・コンプライアンス対応を統括」——金融機関の職務経歴書として標準的な記述ですが、DeepTech企業の代表やCTOには届きにくい書き方です。

DeepTech企業が聞きたいのは「どんな企業・事業の成長に関与したのか」「その企業の課題をどう理解して動いたのか」「自分の判断が事業にどう影響したのか」です。審査・管理の実績より、事業成長への関与と課題への向き合い方を書くことが書類通過の鍵になります。

パターン②:支援した企業の成果を「自分の実績」として書けていない

「融資先企業の上場支援を担当」「資金調達の成功を支援」——金融機関では正確な表現ですが、DeepTech企業には「自分が何をしたのか」が見えにくいです。

融資先・投資先・支援先の事業が成長する過程で、自分がどんな役割を果たしたのかを具体的に書くことが重要です。財務分析・経営改善提案・資金調達戦略の設計など、支援の中で自分が手を動かした部分を前面に出す書き方に変えてください。

パターン③:ミッション適合の言語化がない

DeepTech企業への転職理由が「新しいことに挑戦したい」「スタートアップの成長に関わりたい」という一般的な動機で終わっている職務経歴書は多いです。代表が採用面接で最初に確認するのは「なぜうちの会社なのか・うちの技術のどこに興味があるのか」です。

金融機関での業務を通じて接してきた企業・産業の課題と、応募先の技術が解決しようとしていることを接続できると、採用担当の経営陣には刺さりやすいです。

warning「技術的なことは書けない」という方へ

専門的な技術の原理を深く理解している必要はありません。「この技術が解決しようとしている社会課題が何か」「なぜその課題の解決に既存のアプローチでは限界があるのか」という構造的な理解を自分の言葉で書ければ十分です。

書き方のポイント|金融経験×DeepTech文脈での伝え方

「審査・支援した」から「事業成長に関与した」への書き方の転換

ポイント①:「審査・支援」を「事業成長への関与・課題への向き合い方」として書き直す

DeepTechの代表やCTOが見たいのは、支援した先に何があったかです。「融資先・投資先・支援先の事業成長に自分がどう関与したか」のプロセスを書き直してください。

金融機関向けの書き方DeepTech向けの書き方
スタートアップ向け融資審査を担当。○○件の審査・実行スタートアップ20社の事業計画・財務モデルを精査し、事業課題を経営者と共に整理。うち5社は融資実行後も四半期ごとの事業レビューを担当し、売上成長・資金繰りの改善に関与
IPO支援・資金調達アドバイザリーを担当IPOを目指す成長企業3社のCFO・代表と連携し、資金調達戦略の設計から投資家向け資料の構成まで共同で担当。うち1社の上場に直接関与
ベンチャー投資部門にて投資先管理を担当投資先15社の事業進捗モニタリングを担当。事業が停滞した3社に対しては、経営者と議論しながら事業モデルの修正・ピボットを支援し、うち2社の次ラウンド調達に貢献
金融機関での業界経験・人脈を活かした営業実績銀行・証券での製造業・医療・エネルギー領域の取引経験から、業界の構造的課題と主要プレーヤーの意思決定プロセスを深く理解。DeepTechの即戦力性の根拠として前面に出す

ポイント②:スタートアップ・成長企業への関与経験を前面に出す

銀行・証券でスタートアップ向け融資・VC部門・成長企業担当・IPO支援などを経験した方は、その経験を前面に出してください。DeepTech企業との最も近い接点になります。「成長途上の企業の経営者と、課題を一緒に考えた経験」「事業計画の不確実性に向き合った経験」は、DeepTech文脈に直接接続できます。

ポイント③:自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」を必ず入れる

自己PR欄の末尾に「この企業のどの技術・ミッションに共鳴しているか」「金融経験をどうDeepTechの文脈で活かすか」を書くことは必須です。代表が応募書類を読む際、自己PRの最後まで「なぜうちか」が書いていない職務経歴書は通過率が大きく下がります

warning「スタートアップへの関与経験がない」という方へ

金融機関でスタートアップを担当していなくても、「事業計画が不確実な企業の経営者と向き合った経験」「既存のフォーマットが通用しない案件に対応した経験」「業界の構造的な課題を深く理解した上で判断した経験」があれば、それはDeepTech文脈で代替できる経験です。担当した業界・企業の課題とDeepTechの接続点を整理して書いてください。

金融出身者ならではの悩みに答える

「金融機関の経験がDeepTechで通用するか不安」という悩み

通用します。DeepTech企業がシリーズA以降に必要とするビジネス人材として、財務モデリング・資金調達戦略・投資家対応・事業計画の構造化といった金融スキルは希少です。特に「経営者と財務・事業の両面で対話できる人材」は、DeepTech企業が成長フェーズで最も採用しにくい人材の一つです。金融スキルを「ファイナンスの専門家」としてではなく「事業成長の文脈で使える経験」として書き直すことが重要です。

「規制・コンプライアンス文化とDeepTechのスピード感のギャップが心配」という悩み

実際にギャップはあります。金融機関は審査・承認・規制対応のプロセスが前提の環境で、意思決定には時間がかかります。DeepTechスタートアップでは「まず試してみる・すぐ動く」が前提のことが多く、このギャップに戸惑う金融出身者は少なくありません。職務経歴書では「自分が主体的に動いた経験」「規定外の状況で判断した経験」を書くことで、スピード感への適性を示すことができます。

例文

例①:銀行法人営業・スタートアップ担当(経験3〜7年)

地方銀行(総資産約5兆円規模)の法人営業部門にて、中小企業・スタートアップ向けの融資・経営支援を担当。3年目以降はスタートアップ専担チーム(5名)に異動し、創業期〜シリーズAの企業約40社を担当。

【業務内容】
・スタートアップ・成長企業への融資審査・実行・事後管理(担当40社)
・事業計画・財務モデルのレビュー・経営課題のヒアリング・改善提案
・資金調達支援(融資・補助金・VC連携)
・担当企業の四半期ごとの事業進捗レビュー・経営者との定期面談
・創業支援プログラムの企画・運営(年2回、参加企業15〜20社)

【実績】
・担当スタートアップ40社のうち8社が次ラウンドの資金調達に成功(在籍3年間)
・事業が停滞していた3社に対して経営課題の構造化・改善提案を実施。うち2社が黒字転換し、1社は翌年のVC調達につなげた
・創業支援プログラムの参加企業の1年後の事業継続率を65%から82%に改善(プログラム内容の刷新を主導)

【主な取り組み】
担当企業の事業が停滞した際に、財務数値だけを見るのではなく経営者と事業モデルそのものを議論するスタイルを取った。ある製造系スタートアップでは、売上停滞の原因が顧客ターゲットの設定ミスにあると特定し、ターゲット顧客の切り替えを経営者と一緒に検討した。翌四半期に新ターゲットでの受注が増加し、その後のVC調達でも事業モデルの妥当性が評価された。

【自己PRでのアピールポイント】
スタートアップ担当として、事業計画の不確実性が高い企業の経営者と3年間向き合ってきた。DeepTech企業が直面する「まだ市場がない状態で事業を前進させる」フェーズで、財務・事業の両面から伴走できる経験を持っている。貴社の○○技術が解決しようとしている社会課題は、担当企業の中でも最も頻繁に接してきた産業課題の一つと重なっており、当事者として関わりたいと考え転職を決断した。

例②:投資銀行・VC部門(経験5〜10年)

外資系証券会社(国内社員約400名)の投資銀行部門にて、ライフサイエンス・テクノロジー領域のIPO支援・資金調達アドバイザリー・M&Aを担当。5年間で10件以上のトランザクションに関与。

【業務内容】
・ライフサイエンス・テクノロジー領域の成長企業へのIPO支援・資金調達アドバイザリー
・バリュエーション・財務モデリング・投資家向け資料の作成
・M&Aのターゲットスクリーニング・デューデリジェンス支援
・経営陣(CEO・CFO)との戦略議論・資本政策の設計
・国内外機関投資家とのリレーション構築・ロードショー支援

【実績】
・ライフサイエンス企業3社のIPOに主担当として関与(調達総額:約180億円)
・テクノロジー系スタートアップ5社の資金調達アドバイザリーを担当(調達総額:約60億円)
・M&AデューデリジェンスでDeepTech系スタートアップ8社の事業・技術評価を担当。うち3社の案件クローズに貢献
・バリュエーションモデルの構築において、技術の成熟度(TRL)と市場規模の不確実性を組み込んだ独自フレームを設計し、チーム内の標準手法として採用

【主な取り組み】
ライフサイエンス企業のIPO支援では、技術の価値を投資家に伝えるための資料構成を経営陣と共同で設計した。技術的な優位性を「競合との機能比較」ではなく「解決できる社会課題の大きさ」から説明するアプローチを提案し、ロードショーでの投資家の反応が大きく改善した。このアプローチは以降の案件にも展開し、チームのIPO支援の資料設計の標準として定着した。

【自己PRでのアピールポイント】
ライフサイエンス・テクノロジー領域の成長企業と深く関わり、技術の価値を市場に届けるプロセスを支援してきた。DeepTech企業が直面する「技術の価値を投資家・顧客に伝える」課題に、自分のアプローチが直接活きると考えている。これまでは支援者として外側から関わってきたが、次は当事者として技術の社会実装に関わるフェーズで力を発揮したいと考え転職を決断した。

例③:経営企画・CVC・オープンイノベーション部門(経験7年以上)

メガバンク(総資産約200兆円規模)の経営企画部門にて、新規事業開発・スタートアップ投資・オープンイノベーション推進を担当。社内ベンチャー制度の立ち上げと、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の運営を主導。

【業務内容】
・CVC投資の案件発掘・投資判断・投資後管理(担当15社)
・社内ベンチャー制度の設計・運営(年間エントリー30〜40件、採択3〜5件)
・スタートアップとの協業案件の設計・推進(PoC含む)
・投資先経営陣との定期的な事業レビュー・経営支援
・グループ会社・外部パートナーとのアライアンス交渉

【実績】
・CVC投資15社のうち5社が次ラウンドの調達に成功(在籍期間内)
・DeepTech系スタートアップ3社とのPoC推進を担当。うち1社は実証後に協業契約(年額3,000万円規模)に発展
・社内ベンチャー制度からのスピンアウト企業2社の設立を支援。設立後の資金調達・事業立ち上げに関与
・CVC投資の評価フレームにDeepTech特有の技術リスク・規制リスクの評価軸を追加し、投資判断の精度向上に貢献

【主な取り組み】
DeepTech系スタートアップとのPoC推進では、金融機関側の意思決定スピードとスタートアップ側の期待するスピードのギャップが常に課題だった。金融機関内部の承認プロセスを短縮するために、PoC開始前に社内の主要ステークホルダーへの根回しを先に完了させ、実施中の意思決定を最小化する進め方を設計した。この方法により、平均6ヶ月かかっていたPoC完了までの期間を3ヶ月に短縮した。

【自己PRでのアピールポイント】
CVC・オープンイノベーション・社内ベンチャー支援を通じて、DeepTechスタートアップの成長に金融機関の立場から関わってきた。投資先の経営者と事業・財務の両面で議論してきた経験と、大組織の中でスタートアップとの協業を推進してきた経験を持っている。次のステップとして、支援者ではなく当事者として技術の社会実装に関わる立場に移りたいと考えている。

書き方ステップ

金融出身者のための職務経歴書 作成6ステップ

① 応募先企業の技術・ミッションを読み込む

ウェブサイト・代表インタビュー・調達プレスリリース・論文の要旨を読み、「この技術がなぜ既存の解決策より優れているのか」を自分の言葉で説明できる状態にする。職務経歴書を書く前の必須ステップです。

② 金融の経験を「審査・支援」から「事業成長への関与」として整理する

担当した企業の中で、自分が事業の課題に向き合い、判断し、結果に関与した場面を書き出します。「融資した」「支援した」ではなく「担当企業の○○課題に対して自分が○○を行い、結果○○になった」という形で整理します。

③ スタートアップ・成長企業への関与経験を優先して選ぶ

担当してきた企業の中でスタートアップ・成長企業・新規事業フェーズの企業への関与経験を優先して書き出します。事業計画の不確実性に向き合った経験があれば積極的に前面に出してください。

④ 担当した業界とDeepTechの接続点を整理する

製造業・医療・エネルギー・農業・研究開発など、DeepTechの主要顧客層と重なる業界を担当してきた場合、その業界知識・人脈を即戦力性の根拠として書いてください。

⑤ 自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」を入れる

一般的な「スタートアップに関わりたい」という動機ではなく、企業固有の技術・ミッションへの共鳴と、金融経験をどう活かすかを接続する一文を書きます。

⑥ 書式・枚数を確認する

A4で2〜3枚にまとめてください。DeepTechスタートアップは採用を代表やCTOが直接担うことが多く、長い書類は読まれにくくなります。

NG例→改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:審査件数・管理件数しか書いていない

closeNG

融資審査を年間○○件担当。不良債権発生ゼロを3年間維持しました。

check_circle改善後

【実績】
・スタートアップ担当として40社の事業計画・財務モデルを精査
・担当企業のうち8社が次ラウンドの調達に成功(3年間)

【主な取り組み】
事業が停滞した担当企業に対して、財務数値だけでなく事業モデルそのものを経営者と議論するスタイルを取った。ある企業では顧客ターゲットの設定ミスを特定してターゲット変更を共に実行し、翌四半期の受注増加と次ラウンドのVC調達につなげた。

失敗②:「支援した」で終わっている

closeNG

IPO支援・資金調達アドバイザリーを担当し、複数社の上場・調達成功を支援しました。

check_circle改善後

ライフサイエンス企業3社のIPOに主担当として関与し、調達総額約180億円の案件を完遂した。投資家向け資料の構成について、技術の優位性を競合比較ではなく解決できる社会課題の大きさから説明するアプローチを経営陣に提案・共同設計し、ロードショーでの投資家の反応を改善させた。

失敗③:ミッション適合の言語化がない

closeNG

これまでの金融機関での経験を活かして、スタートアップの成長に貢献したいと考えています。DeepTech分野に関心があり、当事者として関わりたいと思っています。

check_circle改善後

投資銀行部門でライフサイエンス・テクノロジー領域の成長企業と向き合う中で、技術の価値が市場に届くまでの困難さと面白さの両方を外側から理解してきた。貴社の○○技術が解決しようとしている社会課題は、担当企業のIPO支援を通じて繰り返し目の当たりにしてきた産業課題の核心と重なる。支援者としてではなく、当事者として技術の社会実装に関わるフェーズで力を発揮したいと考え転職を決断した。

失敗④:「金融の専門家」として書いてしまっている

closeNG

財務モデリング・バリュエーション・デューデリジェンスのスキルを持ち、金融的な観点から事業の健全性を評価してきました。

check_circle改善後

財務モデリング・バリュエーションのスキルを使ってDeepTech系スタートアップ8社の事業・技術評価を担当した。技術の成熟度と市場規模の不確実性を組み込んだ評価フレームを自ら設計し、投資判断の精度向上に貢献した。このフレームは3件のM&A案件クローズに活用され、チームの標準手法として定着している。

キャリアステージ別アドバイス

リテール・法人営業(経験3〜7年)

DeepTech企業の初期フェーズでは「自分でゼロから動ける」プレイヤーが求められます。担当顧客の事業課題に向き合い、自分が主体的に動いた経験を1〜2件、プロセスつきで書くことが最も重要です。スタートアップ担当の経験がある場合は積極的に前面に出してください。

ただし、金融機関の「審査・コンプライアンス・規制」のプロセスに慣れた方には正直に伝えておきたいことがあります。DeepTechスタートアップでは「まず動いて試す」が前提のことが多く、金融機関の意思決定スピードとは大きく異なります。「自分が主体的に動いた場面」「規定外の状況で判断した場面」を書くことで、スピード感への適性を示すことができます。

投資銀行・VC部門(経験5〜10年)

ライフサイエンス・テクノロジー・製造業などDeepTechの主要領域への関与経験がある場合は積極的に前面に出してください。DeepTech企業の採用では、業界知識・投資家ネットワーク・財務モデリングスキルが直接的な差別化ポイントになります。「支援した」ではなく「共に設計・実行した」という書き方に変えることで、実行力のある金融出身者として読まれやすくなります。

lightbulb「DeepTech系の案件を直接担当していない」という方へ

「事業計画の不確実性が高い企業の経営者と向き合った経験」「既存のバリュエーションモデルが通用しない案件に対応した経験」「業界の構造的課題を深く理解した上で判断した経験」があれば、それはDeepTech文脈で代替できる経験です。「答えのない問いに向き合った経験」として整理して書いてください。

経営企画・CVC・オープンイノベーション部門(経験7年以上)

DeepTechの成長フェーズ(シリーズA〜B)では「ファイナンスと事業の両方が分かる人材」への需要が高い傾向があります。CVC・オープンイノベーション・社内ベンチャー支援の経験は、DeepTech採用において最も評価されやすい金融出身者のバックグラウンドです。投資先経営陣との議論・PoC推進・事業モデルの修正関与など、事業の当事者に近い経験を前面に出してください。

よくある質問

Q. 金融出身者はDeepTech企業で評価されますか?

評価されます。特に財務モデリング・資金調達戦略・事業計画の構造化・投資家対応のスキルはDeepTech企業の成長フェーズで希少です。「ファイナンスの専門家」としてではなく「事業成長の文脈で使える経験」として書き直すことで、評価は大きく変わります。

Q. 技術的な知識がなくても応募できますか?

募集要項によりますが、技術的な専門知識を必須としていないビジネス職のポジションであれば、深い技術知識がなくても応募できるケースが多いです。ただし応募する企業の技術・ミッションを自分の言葉で説明できる最低限の理解は必要です。代表インタビュー・プレスリリース・技術ブログを事前に読み込んでから書類を作成してください。

Q. 金融機関の年収水準はDeepTech転職のハードルになりますか?

シード〜シリーズAのDeepTech企業では、金融機関の年収水準をそのまま維持することが難しいケースもあります。シリーズB以降や上場準備段階の企業ではファイナンス・CFO候補などの需要が高く、年収水準が大きく異なるケースもあります。ステージの異なる複数の企業を検討することが現実的です。

Q. 職務経歴書の適切な枚数は何枚ですか?

A4で2〜3枚が目安です。DeepTechスタートアップは採用を代表やCTOが直接担うことが多く、読む時間が限られます。担当案件の数を並べるより、1〜2件を深く書く構成のほうが思考プロセスが伝わりやすいです。

まとめ

  • DeepTechの採用を担う代表やCTOは「審査・管理の実績」より「事業成長への関与と課題への向き合い方」を見ている
  • 金融機関の職務経歴書をそのまま出すことが書類通過率が低い原因であることも多い
  • 「審査・支援した」を「担当企業の○○課題に対して自分が○○を行い、結果○○になった」に書き直すことが最重要
  • スタートアップ・成長企業・技術系領域への関与経験を前面に出す
  • 担当した業界とDeepTechの技術が解決しようとしている社会課題を接続して書く
  • 自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」の企業固有のミッション適合を必ず入れる

金融機関で培った財務分析・事業評価・経営者との対話力は、DeepTech企業が必要としているビジネス力です。書き方を変えるだけで、評価は変わります。まず「主な取り組み」ブロックを「支援した」から「自分が関与して結果が出た経験」に書き直すところから始めてみてください。

この記事の作者

ショクレキ代行

ショクレキでは、ヒアリングをもとに職務経歴書を一緒に作成するサービスを提供しています。「DeepTech企業への応募書類をどう書けばいいかわからない」「書類選考が通らない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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