市場課題|イオンチャネル創薬は評価に手間がかかる

心毒性試験に専用の細胞が要る
新薬の開発では、薬が心臓の働きを乱さないかを確かめる心毒性試験が欠かせません。心臓の拍動はイオンチャネルが生む電気信号で保たれ、その電気信号が乱れると不整脈につながります。心臓の拍動には複数のチャネルが関わり、その種類ごとにヒトのチャネルを組み込んだ細胞を用意する手間がかかります。
電流の精密測定は効率が低い
イオンチャネルの働きを最も正確に測れるパッチクランプ法(細い電極で細胞1個ごとの電流を測る方法)は、効率の低い方法です。測定を自動化した装置も、費用対効果の面では必ずしも有利ではないといわれています。イオンチャネル作用薬が少ない原因の一つには、効率の高い選別法の開発の遅れが挙げられています。
他にも、標的として期待されるイオンチャネルの種類の多さ、標的のチャネルを作り続ける質の高い細胞の作成と供給、といった課題があるといわれています。
- パッチクランプ法ガラスの細い電極を細胞の膜に密着させ、イオンチャネルを流れる微小な電流を直接測る方法である。チャネルの働きを最も正確に捉えられる一方、細胞を1個ずつ扱うため、大量の化合物を試す作業には向きにくい。


