市場課題|適量を測る検査が普及しにくい

心不全が増え適量の設定が難しい
心不全の患者が増えるなかで、一人ひとりに安全な運動の強さを決めることが難しくなっています。心疾患の救命が進んだ結果として患者は増え続け、2030年には国内で約130万人に達すると推計され、心臓リハビリテーションの実施件数も2023年の1年間で約530万件へ達しました。目安が定まらないまま対象者だけが増えると、運動療法の質を保ちにくくなります。
装置が高額で実施施設が限られる
運動の適量を決める心肺運動負荷試験(CPX検査)には高額な装置が要るため、実施できる施設は限られます。この装置は呼気の二酸化炭素の量を測るもので、操作の習熟にも時間がかかるため、2011年の報告では循環器の専門施設のうち呼気ガス分析を併用する施設は14%でした。検査を受けられないまま運動療法が始まると、過負荷を避けて低めの負荷が処方され、質の高い運動療法になりにくいと想定されています。
他にも、マスクを着けたまま限界近くまで運動する患者の負担や、煩雑な操作の習熟に要する人材育成の時間があります。大型の装置を置く場所の確保、導入の費用、といった課題があるといわれています。
- 心肺運動負荷試験自転車型の機器などで運動の負荷を段階的に上げ、呼気に含まれる酸素と二酸化炭素の量から運動への耐性を評価する検査を指す。心臓リハビリテーションで運動の強さを処方するときの基準となる。


