市場課題|CO₂除去の成果可視化が困難

除去量の定量化が難しい
大気中のCO₂を取り除く二酸化炭素除去(CDR)は、排出削減と比べ成果を可視化しにくい分野です。風化で固定されたCO₂は土壌や河川へ分散し、工場排出のような直接計測が困難です。効果を客観的に示せなければ資金調達も人材確保も難航し、研究の実装化が停滞しかねません。
国内環境に適合する基準が未整備
除去量をカーボンクレジットとして扱う認証基準は、日本の環境に適合する形では十分に整備されていません。共通ルールの策定は欧米の認証機関が先行する一方、風化速度を左右する岩石種や降水量、気温、土壌条件は地域ごとに異なります。基準が定まらないうちは買い手も慎重で、国内取引が広がりにくい状況です。
他にも、現場ごとに条件が変わるために生じるデータ収集コストの増大、固定化したCO₂が長期にわたり留まるかを確かめる追跡調査の負担、散布地の地権者との合意形成、といった課題があるといわれています。
- 二酸化炭素除去(CDR)大気中にすでにあるCO₂を回収し、長期間貯留する技術の総称。排出を減らす対策とは別に、除去そのものを進める考え方を指す。
- カーボンクレジット温室効果ガスの削減量や除去量を売買できる証書にしたもの。企業が自社の排出を埋め合わせる手段として取引される。


