市場課題|広大な農園は病害の把握が遅れる

広大な農園ほど目視確認が遅れる
アブラヤシ農園(パーム油の原料となるヤシの農園)の病害対策で壁になるのは、農地の広さです。感染の有無は診断士の目視で確かめられてきましたが、農園が広いほど巡回の周期は長くなります。人手で全体を回るには限りがあり、異常に気づいた時点で被害が広がっている場合があります。
初期症状は微細で判別しにくい
見つけにくさのもう一つの理由は、初期症状の変化が小さいことです。ガノデルマ属の菌に感染したアブラヤシは、水を運ぶ機能が妨げられて実の収量が下がり、やがて枯死します。初期の変化は葉の色や形にわずかしか現れないため、熟練の診断士でも判断に差が出やすくなります。
薬剤の散布量を決める根拠も、樹ごとの状態が分からないままでは定めにくくなります。他にも、感染木の伐採による収量の減少、農園ごとに異なる生育条件の把握、記録を現場で共有する手間、といった課題があるといわれています。
- リモートセンシング対象に触れずに、離れた場所から反射光や放射を測って状態を調べる技術。人工衛星や航空機、ドローンによる観測が代表例である。
- ガノデルマアブラヤシなどに感染する糸状菌の総称。感染した樹は水を運ぶ機能が妨げられ、収量の低下を経て枯死に至るとされる。


