市場課題|酸化反応は高温と白金族に依存

高温の維持で燃料と排出が増える
化学品の製造で使う酸化反応の多くは、高温を保つために多くのエネルギーを消費します。代表例は、石油化学の基礎原料を数百℃で合成する工程です。加熱に使う燃料は製造コストと温室効果ガスの排出に直結するため、脱炭素の要請が強まるほど負担が増します。
低温触媒の白金族は調達しにくい
低温で働く触媒には白金やパラジウムが用いられることが多く、価格と供給の両面で調達しにくい局面があります。白金族金属の産出は南アフリカやロシアなど一部の国に偏り、価格は市況の影響を受けやすい状況です。材料の調達見通しが立たなくなれば、省エネを狙った反応プロセスの導入が遅れる要因になります。
他にも、高温に耐える反応装置をそろえる設備投資が負担になります。副反応による収率(目的の製品になった割合)の低下、昇温と降温にかかる時間、触媒の熱劣化の起こりやすさ、といった課題があるといわれています。
- 酸化反応物質が酸素と結びつく、あるいは物質から電子が奪われる反応。化学品の製造や排ガスの浄化など、工業の広い範囲で使われる。
- 白金族金属白金・パラジウム・ロジウムなど6種類の金属の総称。触媒としての性能が高い一方、産地が偏っており価格の変動が大きい。


