市場課題|家畜排せつ物が悪臭と窒素流出を招く

排せつ物の悪臭が苦情の一因に
畜産の現場では、家畜排せつ物の悪臭が近隣の苦情を招くことがあります。国内で1年間に発生する家畜排せつ物は約8,000万トン(2023年度)で、畜産経営への苦情の過半は悪臭です。対策が追いつかない地域では、畜舎の増設や新規参入が進めにくくなります。
たい肥は需要期が偏り余りやすい
たい肥化は普及していますが、需要期が春と秋に偏るため、使い切りにくい状況です。散布時期が限られる一方、排せつ物は毎日出るため、保管の場所と手間がかかります。余った分が野積み(屋外保管)で残ると、雨や雪どけの水とともに窒素が流れ出し、地下水に硝酸性窒素がたまる恐れもあります。
他にも、香りで覆い隠す消臭剤では悪臭そのものを抑えにくいこと、たい肥の運搬や散布にかかる燃料費があります。化学肥料の使用が続くことによる地力の低下、酪農地域の労働力不足、といった課題があるといわれています。
- 家畜排せつ物牛や豚などの家畜が排出するふんと尿。悪臭や水質汚濁の原因になる一方、窒素やリンを含む肥料資源でもある。
- 硝酸性窒素窒素化合物が微生物に酸化されてできる物質。水に溶けやすく地下水にたまるため、飲用水の基準が定められている。


