市場課題|発現量の少ない遺伝子やT細胞受容体の遺伝子を捉えにくい

発現量の少ない遺伝子を見逃す
細胞1個ずつ読むシングルセル解析でも、発現量の少ない遺伝子は捉えにくいのが現状です。1細胞に含まれるRNAはごく微量で、バルクシーケンスとは異なり量を確保できないため、読み取れる遺伝子の数には限りがあります。発現量の少ない遺伝子を取りこぼすと、病気に関わる少数の細胞の変化も見落とされやすくなります。
T細胞受容体の解析が困難
免疫細胞のT細胞では、異物の目印を見分けるT細胞受容体(TCR)の遺伝子を読み取りにくいとされています。休止期(活性化していない状態)のT細胞では、TCRの遺伝子の発現量が1細胞あたり数コピー程度と低く、TCRレパトアを正確に調べるのは容易ではありません。研究者は腫瘍の中でどのT細胞が増えているかを1細胞ずつ見分けにくく、がん免疫療法の研究の手がかりが不足しかねません。
他にも、細胞を分ける前処理の手間、試薬や機器の費用、配列データの解析負担、といった課題があるといわれています。
- バルクシーケンス多数の細胞をまとめて壊し、含まれるRNAやDNAの配列を一度に読み取る解析を指す。組織全体の傾向をつかむのに向くが、結果は全細胞の平均値となり、少数の細胞が持つ特徴は見えにくい。


