市場課題|脳梗塞の薬は使える時間が短い

投与時間が短く対象が限られる
脳梗塞で血栓を溶かす治療は、使える時間が短いため、一部の患者にしか行えていません。t-PAは原則として発症後4.5時間以内の投与に限られ、先進国でも患者の5〜10%にしか使われていないといわれています。時間を過ぎて着いた患者は、原則この治療を受けられません。
出血の副作用で使いにくい
既存の血栓溶解薬は、頭蓋内出血(頭の中の出血)を助長する副作用があり、そのリスクを抑えるために使える時間が区切られています。また、血流の再開後に起こる虚血再灌流障害(炎症などで組織が損傷する現象)も課題です。血栓を溶かす作用だけでは、この損傷を抑えにくい恐れがあります。
他にも、介護が必要になる主な原因の一つである脳血管疾患の負担、世界で年間約330万人に上る脳梗塞の死者、血栓除去術(カテーテルで血栓を取り除く治療)も適さない患者の選択肢の少なさ、といった課題があるといわれています。
- t-PA組織型プラスミノーゲン活性化因子の略。血液中のプラスミノーゲンを、血栓を溶かす酵素プラスミンに変える薬で、急性期脳梗塞に使われる。出血の副作用があるため、投与は原則発症後4.5時間以内に限られる。


