コンサルからDeepTech企業へ転職 技術系創業者に伝わる職務経歴書の書き方と例文

コンサルからDeepTech企業へ転職|技術系創業者に伝わる職務経歴書の書き方と例文

「コンサルとして戦略立案や事業開発の経験を積んできたのに、DeepTech企業の書類選考が通らない」——転職支援の現場でそんな声を聞くことがあります。

書類が通らない原因のほとんどは、能力や経験の問題ではありません。コンサルで評価される職務経歴書の書き方を、そのままDeepTech企業に出してしまっていることが、原因であることも多いです。「○○億円規模のプロジェクトをリード」「経営層への戦略提言を担当」という記述はコンサルファームの採用には刺さりますが、DeepTech企業の代表やCTOには響きにくいことが多いです。

DeepTech企業の採用を担う経営陣は「この人はうちの技術の価値をどう捉えているのか」「まだ存在しない市場でゼロから動ける人か」という視点で書類を読みます。「分析・提言」の文脈で書かれた職務経歴書は、「実行・仮説検証」の文脈で読まれるDeepTechの採用基準と噛み合わないことがあります。この記事では、コンサル出身者がDeepTech企業の書類選考を通過するための書き方を、例文・NGパターンとともに解説します。

DeepTechの経営陣は何を見ている?

DeepTechの経営陣がコンサル出身者の職務経歴書で見る3つのポイント

DeepTech企業の代表やCTOなど、採用を直接担う経営陣が職務経歴書で確認しているのは、主に次の3点です。

  • 技術・ミッションへの理解があるか:DeepTech企業の代表や研究者出身の経営陣は「この人は自社の技術の何が面白いと思っているのか」をまず確認します。技術の深い理解は不要ですが「なぜこの技術が社会を変えうるのか」という自分の言葉での解釈が書かれているかどうかを見ています。
  • 提言ではなく実行の経験があるか:コンサルの強みは課題構造化・戦略立案・提言です。DeepTech企業の経営陣が確認したいのは「提言した先に、自分で実行した経験があるか」です。プロジェクトの中で自らが手を動かし、仮説を検証し、結果に責任を持った経験が書かれているかどうかを見ています。
  • 不確実性の高い環境で動いた経験があるか:コンサルのプロジェクトは、クライアントがいて課題が与えられる環境です。DeepTechでは課題自体が不明確で、市場も存在しないことがあります。「答えのない問いに対して自分で仮説を立て、動いた経験」があるかどうかを見ています。
lightbulb採用を担う経営陣の視点

DeepTech企業の代表やCTOがコンサル出身者に求めているのは「分析・整理してくれる人」ではなく「自分たちが解決しようとしている社会課題を一緒に信じて、手を動かしてくれる人」です。書類で落ちるパターンの多くは分析力の不足ではなく「実行経験・社会課題への共感が伝わらない」ことです。「なぜこの技術の社会実装に関わりたいのか」「その上でコンサル経験をどう使えると考えているのか」が伝わる書き方をしている方が響きやすいです。

書類が通らない人に共通する3つのパターン

パターン①:プロジェクトの規模・経営層との接点しか書いていない

「○○億円規模の新規事業立案プロジェクトに参画」「C-suiteへの戦略提言を担当」——コンサルの職務経歴書として標準的な記述ですが、DeepTech企業の代表やCTOには届きにくい書き方です。

DeepTech企業が聞きたいのは「どんな課題をどう設定したのか」「仮説に対してどう動いたのか」「自分が実行した結果どうなったのか」です。プロジェクトの規模感や接触した役職より、自分が何を考えて何をしたかのプロセスを書くことが書類通過の鍵になります。

パターン②:「提言した」「提案した」で終わっている

コンサルの職務経歴書には「戦略提言を実施」「新規事業の方向性を提案」という表現が多く出てきます。採用を担うDeepTechの経営陣はこの表現を読むと「提言の先に自分で実行した経験はあるのか」と感じます。

コンサルの業務の中でも「自分が主体的に手を動かした部分」「実証実験・PoCに関わった部分」「顧客の意思決定を直接動かした部分」を前面に出す書き方に変えることが重要です。

パターン③:ミッション適合の言語化がない

DeepTech企業への転職理由が「実行に携わりたい」「事業をゼロから作りたい」という一般的な動機で終わっている職務経歴書は多いです。代表が採用面接で最初に確認するのは「なぜうちの会社なのか・うちの技術のどこに興味があるのか」です。

自己PR欄に「この企業の技術領域・ミッションのどこに共鳴しているか」を一文入れるだけで、書類の読まれ方が変わります。コンサル時代に接したクライアントの課題・業界の構造的な問題と、応募先の技術が解決しようとしていることを接続できると、採用担当の経営陣には刺さりやすいです。

warning「技術的なことは書けない」という方へ

専門的な技術の原理を深く理解している必要はありません。「この技術が解決しようとしている社会課題が何か」「なぜその課題の解決に既存のアプローチでは限界があるのか」という構造的な理解を自分の言葉で書ければ十分です。

書き方のポイント|コンサル経験×DeepTech文脈での伝え方

「提言した」から「実行・検証した結果○○になった」への書き方の転換

ポイント①:「提言」を「実行・検証・結果」のプロセスに書き直す

DeepTechの代表やCTOが見たいのは、提言の先にある実行のプロセスです。「主な取り組み」ブロックを「提言・提案した」という記述から、「仮説を立てて自分で動き、検証して、どんな結果が出たか」のプロセスに書き直してください。

コンサル向けの書き方DeepTech向けの書き方
市場分析・競合分析を実施し、新規事業の方向性を経営層に提言市場調査・競合分析を通じて新規事業の方向性を特定し、自らPoC設計・顧客ヒアリングを主導。3ヶ月で10社のニーズ検証を完了し、事業化の意思決定につなげた
クライアントの事業課題を構造化し、戦略オプションを提示クライアントの事業課題を構造化した上で、実証実験の設計・実行を担当。仮説が外れた2つのオプションを早期に棄却し、残り1案への集中投資を意思決定に落とし込んだ
新規市場参入に関する事業化可能性の検討を担当事業化の可否を検討するための調査設計から、対象市場の潜在顧客5社へのヒアリングまでを自ら実行。調査結果をもとにビジネスモデルの修正を主導し、翌四半期のプロトタイプ開発への移行につなげた
業界知識・クライアントとのネットワークを活かした提案経験コンサル時代に培った製造業・医療・研究機関などの業界知識・人脈を即戦力として提示する。DeepTech企業の求人票では業界経験・人脈が必須または歓迎要件に入るケースが多い

ポイント②:クライアントの課題解決経験をDeepTech文脈に接続する

コンサルのどの業界・どの課題に携わってきたかは、DeepTech採用での差別化ポイントになります。製造業・医療・エネルギー・農業・研究開発領域のクライアントを担当した経験がある場合、それはDeepTechの主要な顧客層と重なります。「どの業界の・どんな構造的課題に・コンサルとして向き合ってきたか」を整理して書いてください。

ポイント③:自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」を必ず入れる

自己PR欄の末尾に「この企業の技術・ミッションのどこに共鳴しているか」「コンサル経験をどうDeepTechの文脈で活かすか」を書くことは必須です。代表が応募書類を読む際、自己PRの最後まで「なぜうちか」が書いていない職務経歴書は通過率が大きく下がります

warning「実行経験がない」と感じている方へ

コンサルのプロジェクトの中で「自分が主体的に顧客と向き合った場面」「プロジェクトの方向性を変えた提案を自分から出した場面」「チームのアウトプットを引き上げるために自分が動いた場面」は必ずあるはずです。「提言した」を「自分が主導して検証した」に書き換えられる経験を探してください。

コンサル出身者ならではの悩みに答える

「コンサルは実行経験がないと思われるのでは」という悩み

採用を担う経営陣がコンサル出身者に感じる懸念は「実行経験が薄い」「アドバイスはできるが手を動かせない」というものです。これを先回りして解消するために、職務経歴書の「主な取り組み」ブロックには「自分が手を動かした部分」「自分の判断で方向を変えた部分」を具体的に書いてください。PoCの設計・顧客ヒアリングの実施・仮説の棄却判断・チームの実行推進など、実行に近い部分を抽出することが重要です。

「コンサルの高い年収水準がDeepTech転職のハードルになるのでは」という悩み

職務経歴書に年収は書きません。ただしDeepTechスタートアップ、特にシード〜シリーズA段階では、コンサルファームの年収水準をそのまま維持することが難しいケースもあります。これは書類の問題ではなく転職活動全体の戦略として考えるべき問題です。シリーズB以降や上場準備段階の企業では年収水準が大きく変わるケースもあるため、ステージの異なる複数の企業を検討することが現実的です。

例文

例①:アナリスト〜コンサルタント(経験3〜5年)

戦略コンサルティングファーム(社員約300名)にて、製造業・ヘルスケア領域のクライアントを中心に、新規事業立案・市場参入戦略・オペレーション改善プロジェクトを担当。

【業務内容】
・製造業・ヘルスケア領域のクライアントへの戦略立案支援(年3〜4プロジェクト)
・市場調査・競合分析・顧客ヒアリング設計・実施
・PoCの設計・実行支援・結果の構造化
・経営層向け提言資料の作成・プレゼンテーション
・プロジェクト内でのジュニアメンバー2〜3名の業務指導

【実績】
・ヘルスケアクライアントの新規事業立案で、10社の潜在顧客ヒアリングを自ら設計・実施し、当初想定と異なる課題構造を特定。事業モデルの修正を主導し、翌フェーズへの移行判断につなげた
・製造業クライアントのオペレーション改善プロジェクトで、現場ヒアリング20件を実施。改善施策の優先度付けを主導し、導入後のコスト削減効果として年間約8,000万円を試算・提示
・新市場参入プロジェクトで競合が存在しない領域のフィジビリティスタディを担当。市場の成立条件を3軸で整理し、2つのオプションを早期棄却する判断材料を作成

【主な取り組み】
ヘルスケア領域のPoCプロジェクトでは、クライアントが想定していた課題が現場では別の問題に起因していることをヒアリング5件目で特定した。当初の分析フレームを組み直し、課題の再定義をマネージャーに提案して承認を得た上で、残りの調査設計を自ら変更した。最終的に当初想定と異なる事業モデルへの修正を主導し、クライアントの意思決定を動かした経験は、答えが決まっていない環境での動き方として自分の核になっている。

【自己PRでのアピールポイント】
コンサルを通じて製造業・ヘルスケア領域の課題構造を深く理解してきた。DeepTech企業が直面する「顧客自身が課題を言語化できていない」という状況は、コンサルのヒアリング設計・課題構造化のアプローチが最も活きる文脈だと考えている。貴社の○○技術が解決しようとしている社会課題に、コンサル時代に担当した○○領域の課題構造との強い接点を感じており、自分がゼロから実行に関わるフェーズで貢献したいと考え転職を決断した。

例②:マネージャー(経験6〜10年)

総合コンサルティングファーム(社員約2,000名)にて、エネルギー・素材・製造業領域を中心に、新規事業開発・R&D戦略・オープンイノベーション支援のプロジェクトを担当。マネージャーとして年4〜6件のプロジェクトを統括。

【業務内容】
・エネルギー・素材・製造業クライアントへの新規事業開発・R&D戦略支援
・プロジェクトチーム4〜8名のマネジメント・品質管理
・クライアントのCTO・研究開発部長クラスとの折衝・関係構築
・スタートアップとのオープンイノベーション案件の設計・推進(PoC設計・アライアンス交渉含む)
・提案活動(年6〜8件の新規提案、受注率約45%)

【実績】
・素材メーカークライアントのR&D戦略立案プロジェクトで、大学・研究機関との共同研究スキームの設計を主導。6機関とのネットワーク構築を担当し、2件の共同研究契約締結につなげた
・エネルギー企業のオープンイノベーション支援で、スタートアップ15社のスクリーニング・評価を実施。3社とのPoCを設計・推進し、うち1社のアライアンス契約(年額2,000万円規模)につなげた
・製造業クライアントの新規事業立案で、国内外の市場調査・潜在顧客30社へのヒアリングを主導。2年間で事業化の可否判断まで完了させた

【主な取り組み】
オープンイノベーション支援では、クライアントとスタートアップの間に立って両者の期待値を調整する役割を担った。クライアント側は「すぐ使える技術」を求め、スタートアップ側は「長期的な共同開発」を期待するというギャップが常にあった。双方のリアルな状況を把握した上で、PoCの設計を「短期で成果が出る小さな検証」から始める形にスコープを絞り込み、3社全てのPoCを期間内に完了させた。

【自己PRでのアピールポイント】
エネルギー・素材・製造業領域で、研究者・技術者と対話しながら事業化を推進してきた経験がある。スタートアップとのPoC推進・大学・研究機関との共同研究スキーム設計など、DeepTech企業が日常的に直面する課題に近い仕事を担ってきた。次の職場では、コンサルとしての外側の視点ではなく、当事者として技術の社会実装に関わるフェーズで力を発揮したいと考えている。

例③:シニアマネージャー以上(経験10年以上)

戦略コンサルティングファーム(社員約500名)のシニアマネージャーとして、ライフサイエンス・農業・フードテック領域を中心に、事業戦略・M&A・スタートアップ投資判断支援を統括。年間売上約1.5億円を担当。

【業務内容】
・ライフサイエンス・農業・フードテック領域のクライアントへの事業戦略・新規事業支援(年5〜7プロジェクト)
・スタートアップへの投資判断支援(年10〜15社のデューデリジェンス)
・M&Aターゲットスクリーニング・バリュエーション・PMI支援
・クライアントのCEO・CFO・CTO級との折衝・長期関係構築
・チーム10〜15名のマネジメント・採用・育成

【実績】
・フードテック領域のスタートアップ投資判断支援で、3年間で15社のデューデリジェンスを主導。うち7社への投資実行につなげ、現在3社が事業化フェーズに移行
・ライフサイエンスクライアントの事業戦略立案で、国内外の研究機関・スタートアップとのアライアンス候補を20社スクリーニング。2社との提携交渉をクライアントと共に推進し、うち1社との契約締結(年額5,000万円規模)に関与
・農業領域の新規事業立案で、ゲノム編集・スマート農業の2技術領域を対象に事業化可否を評価。技術・市場・規制の3軸を統合した判断フレームを設計し、クライアントの取締役会での意思決定に直接貢献

【主な取り組み】
スタートアップ投資判断支援では、技術評価・市場評価・チーム評価の3軸を組み合わせた独自の評価フレームを構築した。特にDeepTech領域では技術リスクと市場リスクが複合するため、技術の成熟度(TRL)と市場の受容性を分けて評価する必要があると判断し、フレームに組み込んだ。この評価アプローチはチーム内で標準化され、以降のDeepTech案件10件に適用されている。

【自己PRでのアピールポイント】
ライフサイエンス・農業・フードテック領域で、技術の社会実装に近い仕事を10年以上担ってきた。スタートアップの投資判断支援・アライアンス交渉・事業化判断を通じて、DeepTechの難しさと面白さの両方を外側から理解してきた。次のステップとして、当事者として技術の社会実装を担う立場に移りたいと考えている。コンサルで培った課題構造化・仮説検証・経営層との折衝力を、DeepTech企業の代表やCTOと並走しながら使いたい。

書き方ステップ

コンサル出身者のための職務経歴書 作成6ステップ

① 応募先企業の技術・ミッションを読み込む

ウェブサイト・代表インタビュー・調達プレスリリース・論文の要旨を読み、「この技術がなぜ既存の解決策より優れているのか」を自分の言葉で説明できる状態にする。コンサル出身者はこの構造化が得意なはずです。職務経歴書を書く前の必須ステップです。

② コンサルの経験を「提言」から「実行・検証」に書き直す軸で整理する

これまでの経験を振り返り、「自分が手を動かした部分」「仮説を検証した部分」「判断を変えた部分」を抽出します。「提言した」を「設計・実行した結果○○になった」に書き換えられる経験を1〜2件選んでください。

③ 担当した業界・課題とDeepTechの接続点を整理する

コンサル時代にどの業界の・どんな構造的課題に向き合ってきたかを書き出します。製造業・医療・エネルギー・研究開発・農業など、DeepTechの主要顧客層と重なる業界経験は積極的に前面に出してください。

④ PoCや実証実験への関与を探す

プロジェクトの中でフィジビリティスタディ・PoC設計・スタートアップ評価・共同研究スキーム構築など、DeepTechの業務に近い経験があれば優先的に書き出します。

⑤ 自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」を入れる

一般的な「実行に携わりたい」という動機ではなく、企業固有の技術・ミッションへの共鳴と、コンサル経験をどう活かすかを接続する一文を書きます。

⑥ 書式・枚数を確認する

A4で2〜3枚にまとめてください。DeepTechスタートアップは採用を代表やCTOが直接担うことが多く、長い書類は読まれにくくなります。

NG例→改善例|通らない書き方の直し方

失敗①:プロジェクトの規模しか書いていない

closeNG

○○億円規模の新規事業立案プロジェクトに参画。経営層への戦略提言を担当し、プロジェクトを完遂しました。

check_circle改善後

【実績】
・ヘルスケアクライアントの新規事業立案プロジェクトを担当
・潜在顧客10社へのヒアリングを自ら設計・実施し、当初仮説と異なる課題構造を特定

【主な取り組み】
ヒアリングの途中で当初の課題設定が実態と乖離していることを発見し、調査設計の組み直しをマネージャーに提案・承認を得た。修正後の調査で事業モデルの方向性を変える根拠を揃え、翌フェーズへの移行判断につなげた。

失敗②:「提言した」で終わっている

closeNG

スタートアップとの協業戦略を立案し、クライアントに提言しました。提言は経営層に採用され、プロジェクトは成功裏に終了しました。

check_circle改善後

スタートアップ15社のスクリーニング・評価を自ら実施し、3社とのPoC設計・推進を担当した。PoCでは双方の期待値のギャップを調整しながら進め、3社全てを期間内に完了させた。うち1社のアライアンス契約(年額2,000万円規模)締結まで交渉に関与した。

失敗③:ミッション適合の言語化がない

closeNG

コンサルで培った課題解決力・分析力を活かして、実行の場に移りたいと考えています。DeepTech分野に強い関心を持っており、貢献できると考えています。

check_circle改善後

コンサル時代にエネルギー・素材領域のR&D戦略支援を担当する中で、既存技術では解決できない課題の構造を繰り返し目の当たりにしてきた。貴社の○○技術が解決しようとしている課題は、自分がコンサルで向き合ってきた問題の核心部分と重なる。コンサルとしての外側の視点ではなく、当事者として技術の社会実装に関わるフェーズで力を発揮したいと考え転職を決断した。

失敗④:実行の主体が自分でなく「チーム」「プロジェクト」になっている

closeNG

プロジェクトチームとして市場調査・顧客ヒアリングを実施し、事業化の可否判断を完了しました。

check_circle改善後

市場調査の設計・顧客ヒアリング30社の実施を自分が主担当として進めた。ヒアリングの中盤で当初の仮説を修正する必要が生じ、残りの調査設計を自ら組み直した。最終的に2つのオプションを棄却し、1案への集中投資という意思決定につながる根拠を作った。

キャリアステージ別アドバイス

アナリスト〜コンサルタント(経験3〜5年)

DeepTech企業の初期フェーズでは「自分でゼロから動ける」プレイヤーが求められます。コンサルの経験年数が短くても、「自分が主体的に手を動かした場面」を1〜2件、実行のプロセスつきで書くことが最も重要です。また、担当したクライアントの業界とDeepTechの接続点を整理しておくと、代表やCTOと一緒に働けそうな人という印象につながります。

ただし、コンサルの「プロジェクト単位で成果が出る」サイクルに慣れた方には正直に伝えておきたいことがあります。DeepTechのプロダクトは成果が見えるまでに数年かかることも珍しくありません。DeepTechへの転職で活躍しにくいのは分析力がない人ではなく、短期間で結果が出ない環境にフラストレーションを感じやすい人です。「なぜ長期的な視点でこの技術・ミッションに関わりたいのか」を自己PR欄に書けるかどうかが、採用を担う経営陣にとって重要な判断材料になっています。

マネージャー(経験6〜10年)

技術系クライアント・研究開発領域・スタートアップとのPoC推進経験がある場合は積極的に前面に出してください。DeepTech企業の採用では、こうした経験が直接的な差別化ポイントになります。また「プロジェクトの方向性を変えた判断」「クライアントの意思決定を動かした場面」など、自分の判断が結果に影響した経験を書くことで、実行力のあるコンサル出身者として読まれやすくなります。

lightbulb「PoCや研究機関との接点がない」という方へ

コンサルのプロジェクトで「新規市場の最初の顧客候補を自分でヒアリングした経験」「競合が存在しない領域の事業化可否を判断した経験」「クライアントの中で誰も答えを持っていない問いに向き合った経験」があれば、それはDeepTech文脈で代替できる経験です。「答えのない問いに向き合った経験」という共通点で整理して書いてください。

シニアマネージャー以上(経験10年以上)

DeepTechの成長フェーズ(シリーズA〜B)では「事業の全体設計ができる人材」への需要が高い傾向があります。スタートアップ評価・M&A・アライアンス交渉・R&D戦略など、DeepTechの経営に近い仕事を担ってきた経験は積極的に書いてください。プロジェクトの規模感よりも「どんな判断を下したか・なぜそう判断したか」のプロセスを書くことが、DeepTech採用文脈では評価の中心になります。

よくある質問

Q. コンサル出身者はDeepTech企業で評価されますか?

評価されます。ただし「何を分析・提言したか」よりも「自分が実行した結果どうなったか」のほうが採用を担う経営陣には重要です。課題構造化・仮説検証・業界知識・経営層との折衝力はDeepTechに直結するスキルです。書き方を変えることで評価は大きく変わります。

Q. 技術的な知識がなくても応募できますか?

応募して大丈夫です。ただし応募する企業の技術・ミッションを自分の言葉で説明できる最低限の理解は必要です。代表インタビュー・プレスリリース・技術ブログを事前に読み込んでから書類を作成してください。技術の社会的意義を自分の言葉で整理することから始めると、書きやすくなります。

Q. 戦略系・総合系・IT系でDeepTechへの転職のしやすさは違いますか?

違いはあります。戦略系出身者は課題設定力・経営層との折衝力が強みになります。総合系・IT系出身者は実装・プロジェクト管理・PoC推進の経験が強みになります。DeepTech企業のステージや求めているポジションに応じて、自分の強みが活きる部分を選んで前面に出す書き方が有効です。

Q. 職務経歴書の適切な枚数は何枚ですか?

A4で2〜3枚が目安です。DeepTechスタートアップは採用を代表やCTOが直接担うことが多く、読む時間が限られます。プロジェクトの数を並べるより、1〜2件を深く書く構成のほうが思考プロセスが伝わりやすいです。

まとめ

  • DeepTechの採用を担う代表やCTOは「提言・分析の実績」より「実行・検証のプロセス」を見ている
  • コンサルの職務経歴書をそのまま出すことが書類通過率が低い原因であることも多い
  • 「提言した」を「設計・実行した結果○○になった」に書き直すことが最重要
  • 担当した業界・課題とDeepTechの技術が解決しようとしている社会課題を接続して書く
  • PoCや実証実験・スタートアップ評価・研究機関との協業経験はDeepTech文脈での最大の差別化ポイント
  • 自己PR欄に「なぜDeepTechか・なぜこの会社か」の企業固有のミッション適合を必ず入れる

コンサルで培った課題構造化・仮説検証・業界知識は、DeepTech企業が必要としているビジネス力です。書き方を変えるだけで、評価は変わります。まず「主な取り組み」ブロックを「提言した」から「自分が実行して検証した結果」に書き直すところから始めてみてください。

この記事の作者

ショクレキ代行

ショクレキでは、ヒアリングをもとに職務経歴書を一緒に作成するサービスを提供しています。「DeepTech企業への応募書類をどう書けばいいかわからない」「書類選考が通らない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

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