市場課題|化学工場の蒸留は多くの熱を使う

蒸留は大量の熱を使い設備も巨大
化学工場で液体の混合物を分ける工程の多くは、沸点の違いを利用する「蒸留」で行われています。蒸留は加熱と冷却を繰り返すため多くの熱を使い、高さ数十mから100mほどの塔が必要になる場合もあります。このままでは、化学製品の製造に伴うエネルギー消費を減らすことが困難です。
樹脂の高分子膜は熱や溶剤に弱い
蒸留の代わりに膜で分ける分離技術もありますが、樹脂でできた高分子膜は熱や有機溶剤に弱く、化学工場で使える場面は限定的です。一方で蒸留塔は大きく工場ごとに置けないため、使用後の化学溶剤のうち再生されているのは国内で1割程度といわれています。再生されない溶剤は廃棄され、新しい溶剤の原料となる化石資源を使い続けることになります。
他にも、発酵で作るバイオエタノールを燃料に使える濃度まで高める工程の負担、水と酢酸のように沸点が近い液体の分けにくさ、といった課題があるといわれています。
- 蒸留液体の混合物を加熱して蒸発させ、沸点の違いを利用して成分を分ける操作である。沸点の低い成分が先に気体になるため、これを冷やして集める。化学工業で広く使われるが、加熱と冷却に多くのエネルギーを要する。


