市場課題|研究現場に残る動物由来の基質

動物由来の基質は組成が不明確
iPS細胞やES細胞の培養基質として研究用途で広く使われてきた動物由来の材料は、含まれる成分をすべて特定できません。代表例は「マトリゲル」(マウスの腫瘍から抽出した基底膜成分)で、標準的な培養基質として広く使われています。抽出物であるため成分はロット(一度に作る単位)ごとに変動し、医療用途の品質管理が困難です。
巨大なラミニンは扱いにくい
動物由来の材料に代わるラミニン511は、組換えタンパク質(培養細胞に作らせたタンパク質)として量産しにくい材料です。ラミニン511は分子量が約80万の巨大なタンパク質で、発現と精製が難しいためです。そのため、動物由来の材料に代わる選択肢が広がりにくい状態が続きます。
他にも、動物由来の材料に伴う感染性物質の混入リスク、ロットごとの培養条件の調整、細胞を塊で扱うために生じる細胞数のばらつき、といった課題があるといわれています。
- 培養基質細胞を培養する容器の表面に敷き、細胞を接着させるための材料である。多くの細胞は、何かの表面に接着しないと増殖できず、狙った細胞へも変化しない。材料の組成が、育った細胞の品質を左右する。


