市場課題|延びない健康寿命と精製の壁

日常生活の制限が長く続く
日本では、日常生活に制限のある期間が男女とも長く続いています。2022年の厚生労働省の集計では、平均寿命と健康寿命の差は男性で8.49年、女性で11.63年でした。高齢化が進むにつれ、介護や医療にかかる負担は今後も増えると見込まれます。
細胞外小胞は精製の効率が低い
体の中で細胞どうしが情報をやり取りする細胞外小胞(細胞から放出される小さな袋状の粒子)は、素材としてまとめて集めるのが困難です。培養した細胞の上澄みから超遠心分離機で取り出す方法では、1回に扱える量が数百ミリリットルにとどまり、回収率も20〜30%程度といわれています。装置そのものも高価なため、産業で使う量を安定して確保しにくい状況です。
他にも、細胞の種類によって大きく変わる1回あたりの収量、人に投与したときの安全性と有効性の検証、製品ごとにばらつく品質の評価基準、といった課題があるといわれています。
- 健康寿命介護を必要とせず、日常生活を制限なく送れる期間を指す。厚生労働省が国民生活基礎調査をもとに算出し、平均寿命との差が、支援を要しながら過ごす期間の目安となる。


