市場課題|脳梗塞は再開通後も傷が広がりやすい

再開通の後に組織障害が広がる
脳梗塞や心筋梗塞では、詰まった血管に血流を戻したあとにも組織の傷が広がりやすくなります。血流が途絶えた場所では細胞が死に、その内容物が漏れ出して、感染がないのに炎症が起きるためです。この炎症が長引くと臓器の線維化(組織が硬くなる変化)が進み、慢性の機能低下につながりかねません。
組織障害を抑える薬が乏しい
急性期の治療は血流の再開を優先しており、その後の炎症へ働く薬は限られます。脳梗塞では、発症から4.5時間以内に行う血栓溶解療法と、条件を満たせば24時間以内まで行える血栓回収療法が標準ですが、いずれも時間の制約があり対象は一部の患者です。免疫の働きを広く抑える薬は感染症のリスクを伴うため、急性期の全身投与には不向きです。
他にも、治療を始めるまでの時間の制約、救急の体制が整う病院への搬送、退院後に続く長期のリハビリ、といった課題があるといわれています。
- 線維化炎症が続いた組織で、コラーゲンなどの線維成分が過剰にたまり、硬く置き換わる変化。心臓や腎臓では収縮やろ過の働きが落ち、慢性の機能低下の原因となる。


