市場課題|1枚のチップでは配線が長くなり、チップを重ねる際は貫通配線が面積を奪う

配線が長くなり遅延と電力が増加
LSI(大規模集積回路)は、演算回路やメモリなどの回路ブロックを1枚のチップに集めるほど、ブロック間の配線が長くなります。配線が数mmに及ぶと、データの伝わりが遅れるだけでなく、電力も消費します。この遅れと消費電力が、性能向上の妨げになりかねません。
貫通配線が太く素子を置けない
チップを貫くTSV(シリコン貫通電極)は、現行で直径が10〜50μmあり、周囲を含めてトランジスタ(電気の流れを切り替える素子)を置けない領域(デッドエリア)になります。チップを重ねる3D-ICは、このTSVで層間をつなぐため、接続数を増やすほどチップの面積効率(面積のうち回路に使える割合)が下がります。多数の配線で層間をつなぐ設計は容易ではありません。
他にも、放熱の難しさ、銅の拡散によるトランジスタ特性の劣化、チップを重ねるときの位置合わせ精度、といった課題があるといわれています。
- TSVシリコン基板を厚さ方向に貫いて作る配線で、積み重ねたチップどうしを電気的につなぐ構造である。Through Silicon Viaの略で、シリコン貫通電極と呼ばれる。


