市場課題|有機質肥料への転換が進みにくい

有機質肥料への転換が長期化
慣行農法から有機質肥料を主体とする農法へ切り替えると、収量は一般に30%ほど落ち込むといわれています。有機質肥料に含まれる窒素は、そのままでは作物が吸収できない有機態窒素の形で含まれており、土壌の微生物が分解して初めて肥料として働くためです。同等の収量に戻すまでの土づくりには5年以上を要し、その間の減収を負担できる生産者は限られます。
バイオ炭は施用管理が難しい
化学肥料の施用は一酸化二窒素(温室効果が二酸化炭素の約270倍とされる気体)を排出しますが、施肥が収量を支えるため削減には限界があります。そのため農業の脱炭素では、炭素を土に貯め窒素の流れも整えるバイオ炭に期待が集まります。ただしバイオ炭は土壌の性質を変える資材のため施用量の管理が難しく、普及は限定的です。
他にも、土壌診断の負担、堆肥散布の労力、クレジット売買基準の未整備、といった課題があるといわれています。
- 有機態窒素たんぱく質やアミノ酸などの有機物に含まれる窒素。作物はそのままでは吸収できず、土壌微生物が分解してアンモニア態、硝酸態へ変えることで初めて肥料として働く。


