市場課題|SiCの品質と大口径化

電動化で電力損失の削減が急務
電気自動車や再生可能エネルギーの普及で、電力を変換するときに熱として失われる損失の削減が急務です。パワー半導体(電力用の半導体素子)の材料には長くシリコンが使われてきました。シリコンの素子は発熱が大きく、動作温度の上限も低いため、大型の冷却機構が必要です。
昇華法は大口径化で欠陥が増加
主流の「昇華法」(原料を高温で気体に変え種結晶に積もらせる手法)でSiCを育てると、口径を大きくするほど欠陥が増えやすくなります。昇華法が温度差を駆動力とするため、口径が広がるほど内部の温度差も大きくなるからです。チップを多く取れる大口径化と、欠陥の少なさの両立は困難です。
SiCは硬く割れやすく、薄く平らに削る工程の負担も小さくありません。他にも、結晶を1本育てるのに要する長い時間、量産に必要な大きな設備投資、口径ごとの加工装置の入れ替え、といった課題があるといわれています。
- 昇華法SiCの単結晶を製造する主流の手法。原料の粉末を高温で昇華させ、気体になったケイ素と炭素を種結晶の表面で固体に戻して積み上げる。温度差を駆動力とするため、口径が大きいほど結晶内の温度差も広がる。


