市場課題|宇宙のデータが地上に届きにくい

電波では観測データを送りにくい
地球観測衛星が集めたデータは、地上へ十分に降ろせていません。高度500km付近の低軌道を回る衛星が地上局と通信できる時間は、地球を一周する90分のうち10分未満に限られるためです。観測機器の高解像度化が進むほど、届かない分が増えます。
光通信は導入前の検証が難しい
期待が集まる光通信も、軌道へ投入する前の検証に手間がかかるため、導入が進みにくいのが現状です。衛星の姿勢変化や微振動、温度変動がレーザー光の指向(光を向ける方向)に影響するため、搭載の検討には複雑な計算が必要です。検証の負担と不確実性が、事業者にとって導入の障壁になっています。
宇宙で扱うデータは機密性が高く、傍受されにくい伝送経路も求められます。他にも、電波どうしの干渉を避ける国際的な周波数調整の長期化、50万個を超えるといわれる宇宙デブリの監視に要する即応的な通信、といった課題があるといわれています。
- 低軌道地球のまわりを回る軌道のうち、高度およそ2,000km以下の領域を指す。地球観測衛星の多くがこの高さを利用し、約90分で地球を一周するため、地上の一点と向き合える時間が短い。


