ニュース紹介
「渦状分子配向を持つマイクロ球体から土星の輪状のレーザー発振を実証」
キラルなπ共役高分子が形成するマイクロ球体において、球体表面に渦状の分子配向が生じることを見いだしました。また、この球体では、レーザー発振が円環放射(土星の輪)状に起こることが分かりました。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年6月11日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260611/index.html
「渦状分子配向を持つマイクロ球体から土星の輪状のレーザー発振を実証」
キラルなπ共役高分子が形成するマイクロ球体において、球体表面に渦状の分子配向が生じることを見いだしました。また、この球体では、レーザー発振が円環放射(土星の輪)状に起こることが分かりました。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年6月11日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260611/index.html
この研究はフォトニクス・有機材料科学(光を操る技術と、炭素を骨格とする材料の科学)の分野です。レーザーは通信・センサー・ディスプレーなど幅広く使われていますが、光をどの方向に・どんな形で放つかを制御することは難しい課題です。研究者は、分子の並び方を工夫することで、新しい形の光放射を生み出す材料を探っています。
光学・フォトニクス市場や波長可変レーザー市場は年8〜9%前後で成長を続けており、光集積回路や次世代光デバイスの需要が背景にあります。分子設計で光の振る舞いを制御できる有機材料は、こうした分野の新たな選択肢として注目されています。
研究グループは、キラル(鏡像と重ね合わせられない非対称な構造)なπ共役高分子(電気を通す性質を持つ高分子)のマイクロ球体に渦状の分子配向が生じ、レーザー発振が円環状(土星の輪のような形)に起こることを実証しました。球面という形状から特定方向に光を放つ仕組みは、局所センサーや光デバイスへの応用が期待されます。
分子の自己組織化(分子が自然に秩序ある構造を作る現象)を利用して、光の放射パターンそのものを制御する基礎研究です。実用化までには距離がありますが、有機材料ならではの加工しやすさを活かした新しい光デバイスの可能性を示す成果として注目しています。