市場課題|未熟児網膜症は小児失明の主因

早産児の網膜症が失明を招く
日本の小児の失明で最も多い原因が、未熟児網膜症です。在胎週数が短く、出生体重が小さいほど発症しやすく、網膜の血管が正常に伸びないまま異常な血管が増えます。重症化すれば網膜剥離に至り、視力が大きく損なわれます。
治療は発症後で予防が難しい
現在の治療は網膜症が起きてから行うものが中心で、発症そのものを防ぐ手立ては限られています。レーザー光凝固術は進行を抑えられる一方、鎮静や挿管を伴い、強い近視や周辺の視野の欠損が残りやすい点が課題です。眼球の内部へ注射する抗VEGF薬は体への負担が軽いとされる一方、レーザーより再発が起こりやすい点が議論されています。
未熟児網膜症の課題は、治療だけではありません。他にも、体重の特に小さい児の生存率が上がったことで増えつつある重症例、眼底検査を担える医師の地域差、薬の量や時期の判断が施設ごとに分かれる点、といった課題があるといわれています。
- 未熟児網膜症早産で生まれた児の網膜で血管が正常に伸びず、異常な血管が増える疾患。重症化すると網膜剥離を起こし、失明に至ることがある。
- 抗VEGF薬血管の新生を促すタンパク質の働きを抑える薬。眼球の内部へ注射し、異常な血管の増殖を止める目的で使われている。


