市場課題|顕微観察の価格と可搬性

精密レンズが顕微鏡を高額化
光学顕微鏡の価格は、対物レンズの補正性能でほぼ決まります。色収差と像面のゆがみを抑えるプラン仕様では、補正用のレンズ素子(レンズ1本を構成する個々のガラス)が6枚ほど加わり、1枚ずつ研磨して光軸を合わせる工程が必要です。倍率ごとに対物レンズをそろえる前提もあり、導入は設備投資の規模となるため、試料を検査室へ運んでから観察する運用が続いています。
大型装置は現場へ持ち出しにくい
据え置き型の生物顕微鏡は、鏡筒と架台に照明とカメラを組み合わせ、総重量は20〜100kgに達します。微細な振動が像を乱すため、設置に必要なのは振動対策を施した常設スペースと安定した電源です。打ち上げ費用が重量に比例する宇宙では、装置の重量がそのまま実験の実現性を左右します。
他にも、精密レンズの光軸調整、視野外を観察する位置決め機構、枚数増加に伴う光軸ずれ、といった課題が積み重なってきました。
- 対物レンズ顕微鏡で試料に最も近い位置に置かれ、像を拡大する主要なレンズである。研磨と組み立ての精度が価格を大きく左右する。
- 光軸レンズの中心を結び、光が通る基準となる直線を指す。レンズの枚数が増えるほど、この軸をそろえる調整が難しくなる。
- 色収差色ごとに焦点の位置がずれる現象である。補正には性質の異なるレンズ素子を組み合わせる必要があり、価格に影響する。
- 鏡筒対物レンズと接眼部をつなぐ筒である。距離を保って光を導くため、一定の長さと剛性が要る。
- 位置決め機構観察する位置を機械で動かす仕組みである。視野の外を見るため、試料を載せた台を移動させる。


