市場課題|遺伝性疾患は治療手段が限られる

遺伝性疾患は根治的治療が乏しい
患者数の少ない遺伝性疾患の多くで、原因を取り除く根治的な治療が乏しい状況が続いています。原因となる変異は疾患ごとに異なり、治療は症状を和らげる対症療法が中心です。原因そのものを取り除く治療法が広がらないかぎり、患者は生涯にわたって症状の管理を続けることになります。
従来の編集は削れる範囲が狭い
遺伝子を書き換えるゲノム編集でも、広い範囲が失われた変異は扱いにくい面があります。広く使われてきた「CRISPR-Cas9」は二本鎖を一か所で切る方式のため、一度に削り取れる範囲が限られるからです。加えて、標的以外の場所を書き換えるオフターゲット変異への懸念から、医療に使うには高い特異性の検証も求められています。
他にも、患者数が少なく開発費を回収しにくい採算の壁、ゲノム編集ツールを届ける運搬手段の少なさ、海外に集中する基本特許の使用条件、といった課題があるといわれています。
- オフターゲット変異ゲノム編集の際に、狙った場所以外の配列が書き換わってしまう現象を指す。医療で使う場合は安全性に直結するため、どの程度起こるかの検証が実用化の前提になる。


