市場課題|細胞を見分ける技術の限界

染色した細胞は治療に使いにくい
細胞を1個ずつ見分ける従来の方法は、目印となる蛍光色素を細胞に結合させる工程を前提としています。抗体に付けた色素が放つ光の強さを測り、その値で目的の細胞かを判定する仕組みです。ただし、色素や抗体を加えた細胞を患者へ戻すことは難しく、治療に使う細胞の選別には制約が残ります。
顕微鏡での選別は時間がかかる
細胞の形や内部構造を手がかりに選ぶ場合、従来は顕微鏡での観察と人手による回収が中心でした。1個ずつ画像を撮って判断するため時間を要し、数万から数百万個を扱う規模には合いにくくなります。形の違いに意味があると分かっていても、大量の試料から目的の細胞を集める用途では使いにくい状態です。
色素を加える工程には、手間と費用もかかります。他にも、試薬が細胞の性質に与える影響、測定者ごとに判定の基準がそろいにくいこと、画像を比べ続ける負担、といった課題があるといわれています。
- 蛍光色素光を当てると別の色の光を放つ物質。抗体などに結合させて細胞に付け、その光の強さから目的の細胞かどうかを判定する。
- 抗体特定の物質にだけ結合するタンパク質。細胞の表面にある目印の分子を狙って結合するため、細胞を見分ける道具として使われる。


