健康ライフサイエンス「免疫力測定」を研究

株式会社健康ライフサイエンス

健康ライフサイエンス「免疫力測定」を研究|研究領域=免疫の状態を数値で知る検査/強み=点数化と年齢の目安/将来性=免疫力を知る社会を目指す

企業紹介|株式会社健康ライフサイエンスとは?

血液中のリンパ球(白血球の一種)から体の防御力を数値で示す「免疫力測定」。株式会社健康ライフサイエンスは、その検査を事業とする、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)発のバイオ・ヘルスケア系ディープテック企業です。リンパ球の数と機能の7〜8項目を点数化し、免疫力スコアと5段階の評価、年齢の目安で示す検査を、連携医療機関を通じて提供する事業を進めています。

キーワード「免疫力測定」

「免疫力測定」は、血液中のリンパ球の数と機能を調べ、免疫の状態を点数と年齢の目安で表す検査です。複数の項目の結果を合計して一つのスコアにまとめるため、免疫の水準を一つの数字と段階で受け取れます。同社の方法は、結果を免疫力スコア、5段階の評価、Tリンパ球年齢、免疫力年齢の4つで示します。

市場課題|免疫の状態は、数値で知りにくい

現状の免疫力測定の課題|現状は、体の防御力を数値で知りにくい/免疫の状態を数値で知りにくい/加齢で変わる免疫を実感しにくい

免疫の状態を数値で知りにくい

免疫は、関わる細胞の種類が多く、検査結果を読み解きにくい仕組みです。免疫にはT細胞(病原体や異常な細胞への対応を担うリンパ球)をはじめ、役割の異なる多くの細胞が関わるためです。このままでは、自分の免疫がどの水準にあるかを知らないまま、生活習慣の改善といった対応を取りにくい恐れがあります。

加齢で変わる免疫を実感しにくい

加齢で免疫が変わっても、その変化は実感しにくいのが現状です。T細胞は、未経験の相手に対応するナイーブT細胞が減って、過去の経験を記憶したメモリーT細胞が増えることが知られていますが、自覚症状としては表れにくい点が、課題です。このままでは、年齢に応じた対応を具体的に考えにくい状態が続く恐れがあります。

他にも、免疫に関わる細胞の種類の多さ、機能の多様さ、測定方法の少なさ、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • T細胞リンパ球の主要な仲間で、細菌やウイルスなどの病原体と出会うと増え、体の防御反応を担う。細胞表面のタンパク質の違いで、CD4陽性とCD8陽性の2種類に分けられる。

健康ライフサイエンスの強み|「免疫力測定」を研究

健康ライフサイエンスが「免疫力測定」を研究|現在は、免疫力の検査を提供/複数項目を点数化し総合評価/年齢の目安で結果を提示

複数項目を点数化し総合評価

測定項目ごとに数値の単位や尺度が異なり、結果を並べても全体の水準を比べにくい場合があります。

同社は、リンパ球の数と機能のうち7〜8項目を選び、データベース(基準となる測定値の集まり)をもとに各項目を高・中・低の3段階で、3・2・1点と評価します。合計点は、5段階の免疫グレード(免疫力の水準)に分けられる「免疫力スコア」(SIV)です。尺度をそろえることで、複数の項目の結果が一つの数字と段階にまとまり、結果を把握しやすくなります。利用者は、自分の免疫の水準を、点数と段階の両方で知ることができます。

年齢の目安で結果を提示

数値だけでは、自分の免疫の状態を年代に照らして受け止めにくい場合があります。

同社は、CD8陽性CD28陽性T細胞(表面にCD8とCD28というタンパク質をもつT細胞)の数から「Tリンパ球年齢」を、T細胞の増殖係数から「免疫力年齢」を求め、結果に加えて示します。CD8陽性CD28陽性T細胞は、加齢とともに減る、キラーT細胞(異常な細胞を攻撃する細胞)の前段階にあたる細胞です。T細胞の増殖係数は年齢と逆の相関を示し、免疫機能の総合的な目安になります。Tリンパ球年齢は免疫力年齢の予備的な指標です。利用者は、結果を年齢の目安で受け取り、状態を把握できます。

FrontJournalの解説
  • T細胞の増殖係数T細胞を刺激したときの増殖の度合いを示す値で、年齢が上がるほど小さくなる傾向がある。免疫機能の総合的な目安の一つとして用いられる。

免疫力測定の未来|免疫の水準を知る社会へ

免疫力測定が変える未来|検査の提供から、知る社会へ/連携医療機関で検査を提供/企業や研究室の効果測定/免疫力を知る社会を目指す

連携医療機関で検査を提供

同社の事業は、免疫力の検査と定量的評価の提供です。検査は連携医療機関で受けられる仕組みで、結果は免疫力スコア、5段階の評価、Tリンパ球年齢、免疫力年齢で示されます。個人にとっては、自分の免疫の水準を数値で受け取れる手段になります。

企業や研究室の効果測定

検査は、治療の効果確認、健診の一項目、企業や研究室の実験の効果測定にも使えるとされる検査です。企業や大学の研究室向けに、結果をデータで受け取るコースもあります。検査のコースは、治療の効果確認や実験の効果測定など、用途に応じて選べます。

自分の免疫力を知る社会を目指す

代表者の廣川勝昱氏は、自分の免疫力の水準を知る機会を、書籍とメディアを通じて広げています。廣川氏は、病理学の教授を務めた名誉教授です。書籍『自分の免疫力を知る方法』(あさ出版、2021年)は、自分の免疫力の水準を知らない人が多いという問題意識が出発点とされています。2018年のTBS(民放のテレビ局)の番組では、出演者の免疫力の測定に際し、廣川氏が学術面で協力しました。

会社概要|免疫力測定を事業にする健康ライフサイエンス

設立と代表の経歴

同社は、2006年5月に設立された、東京都千代田区の企業です。代表の廣川勝昱氏は、1964年に東京医科歯科大学(2024年10月に東京工業大学と統合し、東京科学大学となった)を卒業し、2001年に同大学の病理学の教授、2003年に副学長を務め、2005年に名誉教授となりました。所在地は、同大学の22号館7階にあるオープンラボ内です。資本金は1,000万円で、法人番号は4010001145608です。

免疫力の検査と評価が事業

事業は、免疫力の検査と定量的評価、免疫力老化度の測定、病理組織学診断(組織を顕微鏡で調べる診断)などです。衛生検査所(検体検査を行う施設)の経営も、事業に含まれます。検査のコースは、チェック、基本、安心の3つです。検査の説明では、T細胞の役割や、加齢によるナイーブT細胞とメモリーT細胞の変化も紹介されています。結果をデータで受け取るコースは、企業や大学の研究室向けです。

大学発ベンチャーの区分

経済産業省の大学発ベンチャーデータベースは、同社を掲載し、関連大学に東京医科歯科大学を挙げています。このデータベースは、大学と関わりのある企業を、関連大学や事業内容とともに収録する、経済産業省の調査です。

会社情報

会社名株式会社健康ライフサイエンス
所在地東京都千代田区神田駿河台2-3-10 東京医科歯科大22号館7階オープンラボ内
設立2006年5月
資本金1,000万円
事業免疫力の検査と定量的評価、免疫力老化度の測定、病理組織学診断
技術領域免疫力測定、リンパ球の数と機能の評価
URLhttps://h-ls.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

免疫は、体調を左右する大切な仕組みでありながら、自分の水準を数字で見る機会が多くありません。健康ライフサイエンスの取り組みは、リンパ球の状態を点数と年齢の目安に変え、連携医療機関で受け取れる形にする点が特徴です。測る仕組みを整える企業としての価値は、ここにあります。

複数の項目を一つのスコアにまとめる考え方は、結果の読み解きにくさを減らす現実的な道筋だと考えます。研究者が自ら磨いた方法を、連携医療機関を通じて広げる形は、技術を暮らしへ届ける一つの形です。免疫の水準を知ることが、特別なことでなくなる日が近づくことを楽しみにしています。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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