2026.10.03 │ 東京海上アセットマネジメント・日本工営 │ 元発表:2026.10.02

東京海上アセットと日本工営、ブラジルで下水汚泥バイオ炭を本格展開

ニュース紹介

「東京海上アセットならびに日本工営、ブラジルでの下水汚泥を活用した『社会課題解決型バイオ炭カーボンクレジット創出プロジェクト』を本格開始」

東京海上アセットマネジメント株式会社(TMAM)と日本工営株式会社は、ブラジル・サンパウロ州で下水汚泥を活用したバイオ炭によるカーボンクレジット創出プロジェクトを本格開始したと発表しました。現地パートナーは、サンパウロ州における下水処理の約60〜70%を担うとされる州最大の上下水道事業者サンパウロ州基礎衛生公社(SABESP)です。

プロジェクトでは、下水処理の過程で発生する下水汚泥を炭化装置で処理してバイオ炭を製造し、農地に施用することで大気中の炭素を長期間固定し、カーボンクレジットを創出するとしています。

2025年度に小規模実証を実施済みで、今回の発表はその結果を踏まえた本格的なプロジェクト開始の段階にあたります。将来的にはブラジル全土や他国への横展開を図るとしています。

出典:東京海上アセットマネジメント株式会社 2026年10月2日 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000109723.html

FrontJournalの解説

この分野について

バイオ炭は、木くずや下水汚泥などの有機物を酸素の少ない状態で加熱(熱分解)してつくる炭です。土壌に混ぜると炭素が数十年から数百年そこにとどまるため、大気から取り除いた温室効果ガスを長く固定する手段のひとつとされています。

日本でも、下水汚泥由来のバイオ炭を農地にまく方法は、2022年にJ-クレジット制度(国が認める排出削減・吸収量の制度)の方法論として位置づけられています。ブラジル国内では自主的炭素市場向けのクレジット発行を狙う案件が増えており、今回のプロジェクトもこの流れに乗ったものです。

①下水汚泥の処理負担を減らす

下水処理場では、処理の最終段階で大量の下水汚泥が発生します。従来は焼却や埋め立てが中心で、焼却ではCO2やN2O(亜酸化窒素)が排出され、埋め立てでは用地の確保が課題になります。

今回の仕組みは、ブラジル国内で最大規模の下水事業者であるSABESPから汚泥を受け入れ、炭化装置でバイオ炭に変えるものです。SABESPにとっては処理方法の選択肢が広がり、プロジェクト側は原料を安定して確保できる構造になっています。

②カーボンクレジットとして収益化する

できたバイオ炭を農地に施用すると、炭素が長期間土壌にとどまります。この固定量を第三者機関が検証して認証されると、カーボンクレジットとして販売できます。

プロジェクトでは、下水汚泥の受け入れからバイオ炭製造、農地施用、クレジット発行までを一気通貫で担う事業モデルを目指すとしています。TMAMは機関投資家向けの資産運用、日本工営はインフラ系の技術コンサルティングに強みを持ち、資金と現地実装の両面を分担する体制です。

編集部からひとこと

プレスリリースでは年間処理量・CO2削減量・投資額などの定量情報は示されていません。本格開始の後に、どの程度の下水汚泥を扱い、どれだけのクレジットを創出するのかが実運用の鍵になります。ブラジル国内の他州や他国への横展開も含めて今後の数値公表に注目します。

FrontJournal編集部

プレスリリース原文を読む

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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