市場課題|タンパク質は、結晶になりにくい

小さな結晶は解析が難しい
タンパク質の分子構造をX線や中性子線で調べるには、一般に数十ミクロン以上の大きな単結晶(原子が規則正しく並んだ一つながりの結晶)が必要で、小さな結晶では解析が難しくなります。ただしタンパク質は結晶が育つ力(結晶成長の駆動力)が弱く、解析に必要な大きさの結晶を得にくいケースが多くあります。結晶が得られなければ分子構造を調べられず、機能の解明も進みにくい状況です。
低過飽和では核ができにくい
低過飽和(溶けられる限度をわずかに超えただけの状態)の溶液では、核(結晶の芽)ができにくく、通常は結晶化が起こりません。結晶は核を起点に育つため、核ができなければ結晶は現れません。こうした試料は、解析に使う結晶が得られず、構造を調べられません。
他にも、試料ごとに異なる結晶化の条件、膜タンパク質のように扱いにくい試料、結晶の品質の確保、といった課題があるといわれています。
- X線結晶構造解析結晶にX線を当て、散乱して生じる回折の模様から原子の並びを求める手法を指す。創薬では、標的となるタンパク質と薬の結合の様子を調べるために使われる。


