2026.07.20 理化学研究所 元発表:2026.07.09

新潟大・理研ら、超新星爆発の跡で生まれる星を包む有機分子をアルマ望遠鏡で検出(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「星が爆発した現場において、生まれたばかりの星を包む多様な有機分子含んだゆりかごを世界で初めて発見」

新潟大学理学部の下西隆准教授、岐阜大学の佐野栄俊准教授、理化学研究所開拓研究所の古家健次研究員、京都大学の大屋瑶子講師らの共同研究グループは2026年7月9日、約1600年前に重い星が爆発した領域において、生まれたばかりの星を取り巻く「ホットコア」(暖かい分子ガスのゆりかご)の中に、多様な有機分子を観測したと発表しました。研究グループはこれを世界で初めての発見としています。

観測には、南米チリにあるアルマ望遠鏡が用いられました。研究グループは、宇宙における有機分子の多様性や、太陽系がどのような環境で形づくられたのかについて、新たな知見がもたらされることが期待されるとしています(The Astrophysical Journal、DOI: 10.3847/1538-4357/ae6fba)。

出典:理化学研究所 2026年7月9日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260709_2/index.html

FrontJournalの解説

「ホットコア」と星の誕生

星は、宇宙空間に漂うガスやちりが集まって生まれます。生まれたての星のまわりには、暖められたガスが取り巻く領域ができ、これをホットコアと呼びます。ここでは、さまざまな分子がつくられることが知られており、いわば星が育つ「ゆりかご」にあたります。今回はそのゆりかごの中身が詳しく観測されました。

①「星が爆発した跡」で観測した意味

今回の舞台は、約1600年前に重い星が爆発(超新星爆発)した領域です。爆発は周囲の環境を大きくかき乱すため、厳しい環境といえます。そうした場所で生まれた星のまわりにも、多様な有機分子が存在していた——この点が今回の発見の要です。宇宙で有機分子がどれだけ普遍的に生まれうるかを考えるうえでの手がかりになります。

②太陽系の成り立ちを考えるヒント

私たちの太陽系も、過去に近くで超新星爆発があった環境で生まれたという説があります。今回のように爆発の跡地で星が育つ様子を実際に観測できれば、太陽系がどんな環境で形づくられたのかを推測する材料になります。観測にはアルマ望遠鏡という国際的な大型設備が使われており、日本の研究者が中心となって成果を出した点も特徴です。

編集部からひとこと

生命のもとになる有機分子が、宇宙のどこで、どれだけ生まれうるのか——これは基礎科学の大きな問いのひとつです。星が爆発した後の厳しい環境でも、新しい星がゆりかごの中で有機分子に包まれている。その様子を実際に捉えた今回の観測は、私たち自身の起源を考える手がかりにもなります。日本の研究グループによる観測成果として、今後の展開が注目されます。

プレスリリース原文を読む ↗

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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