2026.09.03
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科学技術振興機構(JST)
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元発表:2026.09.02
北海道大学ら、室温で円偏光度50%超の半導体ナノ材料を開発
ニュース紹介
「室温で高輝度かつ高円偏光度を示す半導体ナノ材料を開発~電子スピンのフィルタリング機能を発光層に直接搭載し、スピン-光変換素子の実用化へ前進~」
北海道大学大学院情報科学研究院の樋浦諭志教授、高山純一技術専門職員、村山明宏特任教授、同大学院情報科学院博士後期課程の森田彩乃氏らの研究グループは、室温で高輝度発光と高い電子スピン偏極率を両立する半導体ナノ材料を開発したと発表しました。
この分野では、電子と正孔の解離により発光効率が低下してしまうことが課題でした。
研究グループは、希薄窒化InGaAsN量子ドットを通常よりも低い420℃で成長させることで、スピンフィルタリング機能を持つ欠陥を発光層に直接導入しました。その結果、50%以上の高い円偏光度を達成しています。本成果は2026年9月1日付で科学誌『Advanced Optical Materials』に掲載されました。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年9月2日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260902/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
電子は電気を運ぶだけでなく、スピンと呼ばれる磁石のような向きを持っています。この向きを情報として使う技術がスピントロニクスです。
スピンの向きは、光の回り方(円偏光)に変換できます。電気信号を光に載せ替えて配線を置き換える研究が進んでおり、スピンの情報をそのまま光へ移せれば、変換の手間を省けると考えられています。
①明るさとスピンの向きが両立しなかった
スピンの情報を光に変えるには、電子のスピンの向きがそろったまま光ることが要ります。しかしこの分野では、電子と正孔が離れてしまうことで発光効率が下がるという課題がありました。
明るさを取ればスピンの向きが崩れ、向きを取れば暗くなるという関係にあり、室温で両方を満たす材料が求められていました。
②低い温度で育てて欠陥をあえて残す
研究グループは希薄窒化InGaAsN量子ドットを、通常よりも低い420℃で成長させました。この条件では、スピンフィルタリングの働きを持つ欠陥が結晶の中に残ります。
その欠陥を発光層に直接組み込むことで、向きのそろわない電子をふるい落としながら光らせることができました。室温で50%以上の円偏光度という結果が得られています。
編集部からひとこと
結晶の欠陥は普通なら減らしたいものですが、ここでは働きを持たせて使っています。成長させる温度を下げるだけという作り方の簡単さも、量産を考えるうえでは意味を持ちます。研究グループは将来の光スピン配線に向けた開発の加速を見込んでおり、本成果は創発的研究支援事業やNEDO未踏チャレンジの支援を受けています。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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