Helical Fusionと安藤ハザマが資本業務提携、核融合発電初号機の建設で基本合意
要約
核融合(フュージョン)エネルギーの実用化を目指す株式会社Helical Fusionは2026年7月6日、建設大手の株式会社安藤・間(安藤ハザマ)と資本業務提携を実施したと発表しました。安藤ハザマは同社が進める「ヘリックス計画」の公式パートナーに参画し、最終実証装置「Helix HARUKA」と発電初号機「Helix KANATA」の製造・建設に向けた基本合意書を締結しました。Helical Fusionは、磁場で高温のプラズマを閉じ込める「ヘリカル方式」による核融合発電の実現を掲げており、装置の設計・製造から建設・保守までを見据えて、建設分野の知見を持つ企業との連携を進める狙いです。
発表のポイント
建設大手・安藤ハザマが「ヘリックス計画」の公式パートナーに
Helical Fusionは、安藤ハザマと資本業務提携を締結しました。安藤ハザマは同社の核融合発電開発ロードマップ「ヘリックス計画」の公式パートナーとして、最終実証装置「Helix HARUKA」と発電初号機「Helix KANATA」の製造・建設に向けて協力します。核融合の実用化には、装置本体の技術に加えて、大型構造物を安全に建設・維持する土木・建築の技術が欠かせないとしています。
磁場でプラズマを閉じ込める「ヘリカル方式」で発電を目指す
同社が採用するのは、ねじれた磁場でプラズマを閉じ込める「ヘリカル方式(ステラレータ型)」です。国立の研究機関や大学で積み重ねられてきた研究成果を基盤とし、24時間365日の安定した「定常運転」、発電所の外に電力を送り出す「正味発電」、装置を保守できる「保守性」という商用炉に必要な要件の実現を掲げています。参考として、大型ヘリカル装置(LHD)ではプラズマを約3,268秒(約54分)維持し、プラズマ温度1億度超を達成した実績が示されています。
2030年代中の実用発電を目標にロードマップを提示
Helical Fusionは、2020年代中に高温超伝導マグネットなどの主要機器の個別実証を終え、2030年代中に「Helix HARUKA」で統合実証を行い、「Helix KANATA」による実用発電の達成を目標として掲げています。あわせて、東北(7月)、九州(8月)、中四国(9月)、北陸(10月)で事業連携に向けたパートナリングイベントを予定しているとしています。
企業の概要
株式会社Helical Fusion(代表取締役CEO:田口昂哉)は、ヘリカル方式による核融合発電の実用化を目指す日本のスタートアップです。提携先の株式会社安藤・間(代表取締役社長:国谷一彦)は、土木・建築を手がける大手建設会社です。
FrontJournalからひとこと
核融合発電は、太陽が光る仕組みと同じ反応を地上で起こしてエネルギーを取り出す技術で、実用化されれば長期にわたる電力源になると期待されています。開発の焦点はこれまでプラズマを閉じ込める装置本体に集まりがちでしたが、今回の提携は発電所を実際に「建てて動かし続ける」段階を見据えた動きといえます。建設会社が核融合の公式パートナーに加わることは、研究段階から社会実装段階への移行を意識した体制づくりとして注目されます。掲げられた2030年代の実用発電は野心的な目標であり、今後は個別機器の実証がロードマップ通りに進むかが判断材料になりそうです。
