2026.09.03 理化学研究所 元発表:2026.09.02

理化学研究所ら、疾患のリスク変異を見極める測定法を開発

ニュース紹介

「自己免疫疾患の「原因変異」を見極める新技術を開発」

理化学研究所生命医科学研究センターの石垣和慶ディレクター(慶應義塾大学医学部教授)、山本一彦ディレクター、慶應義塾大学医学部の河野通大助教、波多野裕明助教らの研究グループは、クロマチンの開き具合を高精度かつ効率的に定量する新手法「UNIChro-seqユニクロシーク)」を開発したと発表しました。

従来のATAC-seqはゲノム全体を対象とするため、多くのシーケンス量、費用、実験操作を必要とする一方で、個々の候補領域から得られる情報は限定的でした。

新手法は、標的とするゲノム領域由来のDNAだけを選択的に増幅し、個々のDNA分子を数えることで開き具合を測ります。わずか10分子程度の微量DNAを正確に捉えることが可能で、標的領域を従来法と比較して約3,800倍濃縮できました。本成果は『Nature Communications』オンライン版に8月21日付で掲載されました。

出典:理化学研究所 2026年9月2日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260902_1/index.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

人の体の設計図であるゲノムには、病気のかかりやすさに関わる場所数多く見つかっています。ただし見つかるのは場所だけで、そこが実際にどう働いているかは分からないことが大半です。

手がかりになるのがクロマチンの状態です。DNAは折りたたまれてしまわれており、開いている場所だけが読み取られます。開き具合を測れば、その変異が遺伝子の働きを変えているかを確かめられます。

①ゲノム全体を測ると費用がかさむ

開き具合を測る方法として広く使われてきたのがATAC-seqです。ただしゲノム全体を対象とするため、多くのシーケンス量と費用、実験操作を必要とします。

それだけの手間をかけても、知りたい個々の候補領域から得られる情報は限定的でした。多くの細胞種や条件で一つずつ確かめるには、負担が大きくなりすぎます。

②狙った場所だけを増やして分子を数える

新手法「UNIChro-seq」は、標的とするゲノム領域に由来するDNAだけを選んで増幅し、個々のDNA分子を数えることで開き具合を測ります。

わずか10分子程度の微量なDNAも正確に捉えられ、標的領域は従来法と比べて約3,800倍に濃縮されました。狙いを絞ったぶん、少ない費用と手間で精度を上げられる形です。

編集部からひとこと

ゲノム解析網羅する方向に進んできましたが、この手法は逆に絞り込んでいます。候補が出そろった今、次に要るのは1つずつ確かめる安い道具だという発想です。研究グループは、これまで働きが不明だったリスク変異を、多数の細胞種刺激条件効率的に検証できると見込んでいます。

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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