2026.06.29STマイクロエレクトロニクス

STマイクロエレクトロニクス、耐量子暗号対応のセキュア・モバイルチップ「ST54M」を発表

要約

半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクスは、耐量子コンピュータ暗号(PQC)処理のハードウェア回路を搭載したセキュア・モバイルチップ「ST54M」を発表しました。NFCコントローラ、セキュア・エレメントIC、eSIM機能を1つのシングルダイに集積し、PQCアルゴリズムのML-KEMとML-DSAをハードウェアで処理します。国際規格Common Criteria 2022を基にした欧州連合のICT製品向けサイバーセキュリティ認証制度EUCCに準拠する予定で、2026年7月にEMVCo認証取得と量産を目標としています。現在は顧客向けにサンプル提供中です。

発表のポイント

STマイクロエレクトロニクスについて

STマイクロエレクトロニクスは、約49,000名の従業員を擁する世界的な総合半導体メーカーです。マイクロコントローラ、パワーマネジメント、センサ、コネクテッド・セキュリティ製品などを、自動車、産業、コンシューマ、モバイル分野に幅広く提供しています。日本法人はSTマイクロエレクトロニクス株式会社(東京都港区)。

FrontJournalからひとこと

耐量子暗号は、将来の量子コンピュータによる公開鍵暗号の解読リスクに備える暗号方式です。NISTは2024年にML-KEMとML-DSAを含むPQC標準の初版を確定しており、ハードウェア実装を伴うチップは各社が競って開発している段階です。ST54MのようなNFC・SIM統合型の量子耐性チップは、スマートフォンや車載鍵、身分証明などの分野で、既存の暗号方式から段階的にPQCへ移行するための実用的な選択肢の一つとなります。認証取得と量産のスケジュール、他社チップとの実装差異、モバイル端末メーカーの採用動向が今後の焦点になります。

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