2026.06.24
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株式会社BEAM Technologies
理研発BEAM、微小重力での半導体製造プラットフォーム構築へ2.2億円を調達(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「(株)BEAM Technologies「微小重力を活用した半導体製造プラットフォーム」構築に向けて総額2.2億円を調達」
理化学研究所発スタートアップの株式会社BEAM Technologies(東京都千代田区、代表取締役CEO:飯村一樹)は、シードラウンドで総額2.2億円の第三者割当増資による資金調達を完了しました。引受先には、UntroD Capital Japan、DG Daiwa Ventures、シンニチ工業、ごうぎんキャピタルなど、宇宙・金融・製造の各分野の投資家が名を連ねています。
同社は、化合物半導体デバイスの結晶成長技術を持つ技術陣を擁し、今回の資金で微小重力環境を活用した半導体製造プラットフォーム事業を本格化します。地上で半導体結晶を育てる際には、重力による対流や粒子の沈降が組成のムラや欠陥の要因となりますが、宇宙の微小重力環境では対流が大幅に抑えられるため、より均一で欠陥の少ない結晶成長が期待できると説明しています。
出典:株式会社BEAM Technologies 2026年6月24日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000147216.html
FrontJournalの解説
なぜ宇宙(微小重力)で半導体をつくるのか
半導体は、材料となる結晶の品質がデバイスの性能を大きく左右します。地上では、結晶を高温で育てる過程で重力による対流や沈降が起こり、組成のムラや欠陥が生じやすいという課題があります。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の解説によれば、微小重力の環境ではこうした熱対流や重さによる変形が抑えられ、より均一な結晶が得られると期待されています。BEAM Technologiesは、この宇宙の特性を半導体づくりに生かそうとしています。
①AI時代に高まる高性能半導体の需要
提携や投資の背景には、AIや通信インフラの急速な発展があります。高度な計算処理を支える半導体には、これまで以上の性能が求められるようになっていますが、従来の地上での製造プロセスは材料や構造の面で制約に近づきつつあるとされます。BEAM Technologiesは、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)などの化合物半導体の結晶成長技術を基盤に、地上では届きにくい品質水準の実現をめざしています。
②「宇宙でのものづくり」が民間事業へ
かつて宇宙での製造は国家規模のプロジェクトが中心でしたが、近年はロケットの打上げコストの大幅な低下により、民間企業が宇宙を産業の現場として使う動きが現実味を帯びてきました。半導体のほか、医薬品やタンパク質の結晶づくりなど、微小重力の特性を生かした製造の研究が国内外で進んでいます。BEAM Technologiesの取り組みも、こうした「宇宙で価値を生み出す」産業への移行を示す一例といえます。
編集部からひとこと
微小重力を利用したものづくりは、半導体だけでなく創薬や新素材の分野でも世界的に研究が広がっています。国内でも、宇宙環境での半導体製造をめぐって企業や研究機関が連携する動きが出てきており、宇宙を「利用する」段階から「価値を生み出す」段階へと関心が移りつつあります。理化学研究所発の技術を持つBEAM Technologiesが、この分野で日本発の事業を育てていけるか、今後の技術実証の進展が注目されます。