市場課題|色と発振に残る技術の壁

結晶の組成で波長が決まる
レーザー光源の色を決めているのは、無機半導体の結晶がもつ性質です。半導体レーザーは結晶の組成で発振波長が決まり、狙った色には別の材料が必要です。実用になる結晶材料は限られるため、可視光には効率のよい光源が得にくい波長域が残り、機器の設計は入手できる波長に縛られます。
有機材料は熱で発振しにくい
有機材料でレーザーを発振させる構想は、1989年の提案から長く実証に届きませんでした。電流を強く流すほど素子の内部に光を吸収する分子の状態が増え、発熱も重なって損失が増幅を上回るからです。その結果、有機材料の発光は、自然放出を利用する有機ELの用途が中心でした。
素子の寿命や、量産に耐える製造の再現性にも課題があります。他にも、電流を流し続けたときに生じる発熱の処理、光を往復させる共振器の微細加工、求められる出力と安定性の両立、といった課題があるといわれています。
- 半導体レーザー半導体に電流を流し、増幅した光を一定の方向へ取り出す光源。光通信や光ディスク、計測機器などで広く使われている。
- 自然放出励起された分子や原子が、ばらばらの方向と位相で光を放つ現象。有機ELの発光がこれにあたり、向きのそろったレーザー光とは異なる。


