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株式会社古殿研究所

株式会社古殿研究所「パーソナライズドリンク」を研究

企業紹介|株式会社古殿研究所とは?

「パーソナライズドリンク」は、体調や好みに合わせた飲み物を、自分のボトルに注いで提供する仕組みです。株式会社古殿研究所は、その社会実装(研究成果を実際の社会で使える形にすること)を目指す、近畿大学発のディープテック企業です。同社は、ドリンクサーバー「DRIGGER」の試験導入を通じて、マイボトルへ飲み物を注ぐ仕組みを検証してきました。

キーワード「パーソナライズドリンク」

「パーソナライズドリンク」は、利用者が自分の体調や好みに合わせて、味や量を選んで受け取る飲み物です。古殿研究所のドリンクサーバー「DRIGGER」は、IoT(機器をインターネットにつなぐ技術)を搭載し、利用者のマイボトルに飲み物を注ぎます。飲む人が自分の状態に合う1杯を選べることが、この仕組みの特徴です。

市場課題|ペットボトルごみと飲み物の選択

現状のペットボトルと機器の課題

ペットボトルの消費が多い

PETボトルリサイクル推進協議会によると、令和2年度の清涼飲料用PETボトルの出荷本数は、241億本です。日本の人口で考えると、1人あたり年間193本にあたります。近畿大学東大阪キャンパスには、学生と教職員が約2万7,000人おり、キャンパス内で消費されるペットボトルは、1年間で約521万本と試算されています。

従来の機器は提供するだけ

近畿大学の発表によると、従来のディスペンサー(飲料供給機)は、単にドリンクを提供する機器です。「疲れやすい」「若々しくいたい」といった個人のニーズを伝えて、飲み物の味や量を選ぶ仕組みとは異なります。個人のニーズは、飲み物の選択に反映しにくい状況です。

他にも、ペットボトルごみの増加、製造や廃棄にともなうCO2の排出、環境への負荷、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • マイボトル利用者が自分で持ち歩き、繰り返し使う飲料用の容器である。使い捨てのペットボトルの代わりに使われ、ごみの削減につながる。

株式会社古殿研究所の強み|「パーソナライズドリンク」を研究

株式会社古殿研究所が「パーソナライズドリンク」を研究

マイボトルに直接注ぐ

ペットボトル入りの飲料は、飲むたびに使い捨ての容器が1本ずつ出ます。

同社のドリンクサーバー「DRIGGER」(ドリガー)は、オフィスワーカーの健康的な働き方を支えるために開発された、パーソナライズドリンク提供サービスです。利用者が持参したマイボトルに、飲み物を直接注ぎます。サーバーは、IoTを搭載した機器です。繰り返し使えるマイボトルが容器になるため、提供のたびに使い捨ての容器が出ず、ペットボトルの使用を減らせます。この取り組みで、ペットボトルごみを減らし、環境への負荷を下げることを目指しています。

体調と好みで選ぶ

従来のディスペンサーは、単にドリンクを提供するだけです。

「DRIGGER」では、利用者がタッチディスプレイで「疲れやすい」「若々しくいたい」などのニーズを伝えます。続いて、飲料の味や量を、自分で選ぶ流れです。選んだ内容に合わせたドリンクが、自分のマイボトルに注がれ、すぐに飲めます。利用者が選んだニーズと好みに合わせて、味と量を変えたドリンクを提供するサービスです。これにより、オフィスワーカーは、自分の状態に合う飲み物を、味と量まで選んで飲むことができます。

FrontJournalの解説
  • IoTさまざまな機器をインターネットにつなぎ、機器どうしが情報をやり取りして制御する技術である。機器の状態の把握や、遠隔での操作に使われる。

パーソナライズドリンクの未来|ゼミの実証から試験導入へ

マイボトルが変える未来

ゼミの検証で188本分を提供

2024年度に近畿大学東大阪キャンパスで、学生・教職員向けの事業検証とオープンキャンパスのイベントが行われました。近畿大学の古殿ゼミは、このイベントで、マイボトルでペットボトル188本分の飲料を提供しています。500mlのペットボトル1本の製造、廃棄、リサイクルにかかるCO2排出量を約120gとして計算すると、CO2削減は約22.56kgと試算されます。これらの数値は、会社ではなくゼミの取り組みの成果です。ゼミは、マイボトルの利用でペットボトルごみの削減を目指す「DRIGGERプロジェクト」を、2021年から実施しています。

オフィスラウンジで試験導入

同社は、2025年3月21日から、グラングリーン大阪南館の「SLOW AND STEADY」へ、「DRIGGER」を試験導入しました。導入先は、グラングリーン大阪南館のオフィスラウンジ内です。「SLOW AND STEADY」は、スマートバリューが運営する、ウェルビーイング(心身の良好な状態)の向上を目的としたスペースです。設置期間は2025年4月30日までの予定で、料金は試験導入のため無料でした。

ペットボトルレスを目指す

古殿ゼミは、ペットボトルレスのキャンパスを目指し、2025年7月7日から24日に、東大阪キャンパスでマイボトル推進キャンペーンを実施すると発表していました。20回分のドリンクチケットを購入し、アンケートに回答した先着100名には、竹素材のオリジナルボトルが贈られる予定でした。マイボトルの利用を、学生や教職員に広げる狙いです。

会社概要|株式会社古殿研究所の事業内容・設立背景

大学のゼミから会社へ

株式会社古殿研究所は、古殿ゼミの取り組みを土台に、2022年6月10日に設立された、京都府相楽郡精華町の企業です。代表取締役は、近畿大学経営学部経営学科の古殿幸雄教授です。古殿ゼミは2021年12月に、象印マホービンと共同で、東大阪キャンパス内でマイボトルへドリンクを提供する実証実験を行いました。

近畿大学発と協力企業

同社は、近畿大学発ベンチャー企業に認定されています。経済産業省の大学発ベンチャーデータベース2026でも、関連大学は近畿大学です。「DRIGGER」の試験導入には、太陽化学が原料供給、三谷バルブが各種成分の充填などで協力しました。NTT西日本のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」は、実証実験の場所の提供などを担っています。

事業内容と名称の由来

事業は、持続可能な社会の確立に向けた、商品やサービスの調査、企画、研究開発、販売です。「DRIGGER」は、「Drink(飲む)」と「Trigger(きっかけ)」を組み合わせた造語で、当時のゼミ生が考案しました。マイボトルの使用をきっかけに、ペットボトルレスやSDGs(国連の持続可能な開発目標)を考える機会を提供したい、という願いが込められています。

会社情報

会社名株式会社古殿研究所(Kodono Laboratory Inc.)
所在地京都府相楽郡精華町精華台2丁目17番地7
設立2022年6月
資本金345万円
事業持続可能な社会の確立に向けた商品やサービスの調査、企画、研究開発、販売
技術領域IoT搭載のドリンクサーバー(パーソナライズドリンク)
連携近畿大学(近畿大学発ベンチャーに認定)
URLhttps://kodonolabo-inc.com/

編集後記|FrontJournal編集部より

同社のDRIGGERは、マイボトルに飲み物を注ぐ仕組みに、体調や好みに合わせた味と量の選択を重ねた点が特徴です。ペットボトルごみの削減と、飲む人の状態に合う1杯を、1台のサーバーで組み合わせた取り組みといえます。試験導入は、ウェルビーイングの向上を目的とするスペースで行われました。

とくに注目したのは、大学のゼミで2021年に始まった取り組みが、会社の設立を経て、ウェルビーイング向けスペースでの試験導入へ広がった点です。この先の展開を、見守りたいと思います。

FrontJournal編集部

出典:近畿大学「古殿研究所がグラングリーン大阪にパーソナライズドリンク提供サービスを設置」(2025年3月12日)、近畿大学「マイボトルへのドリンク提供サービスの事業検証を実施」(2024年11月15日)、近畿大学「マイボトル推進キャンペーンを実施」(2025年6月30日)、近畿大学「マイボトルへドリンクを提供する実証実験を開始」(2021年11月24日)、近畿大学 教員紹介「古殿幸雄」、株式会社古殿研究所 公式サイト

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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