市場課題|検査薬の酵素は温度管理と標識に手間がかかる

酵素は熱で働きを失いやすい
ELISA(抗体を使って微量の物質を測る検査法)では、抗体にペルオキシダーゼ(過酸化水素を使って物質を酸化する酵素)を結びつけ、目的の物質を色で示します。この酵素はタンパク質でできており、高温で働きを大きく失い、常温でも活性が低下します。そのため試薬は冷蔵での保管が必要で、管理を誤ると測定の精度が落ちかねません。
標識の工程と生物原料が負担
抗体などに酵素を付ける標識(検出の目印となる物質を付けること)には、化学反応で直接結合させるか、ビオチン(ビタミンの一種)を介して結合させる工程が必要です。抗体は動物、ペルオキシダーゼは西洋ワサビに由来します。このままでは、試薬の製造で生物由来の原料の用意と標識の工程にかかる手間は減りません。
他にも、冷蔵でも長期保存で進む活性の低下、活性を保つための専用の安定化剤、タンパク質分解酵素による分解、といった課題があるといわれています。
- ペルオキシダーゼ過酸化水素を使って別の物質を酸化する酵素を指す。ELISAでは抗体に結びつけて使い、無色の試薬を酸化して色を出させることで、目的の物質の量を色の濃さとして読み取る。


